選び方・調理法
選び方
皮の色が均一で鮮やかであり、表面にツヤがあってなめらかなもの。ラグビーボールのようなふっくらと丸みのある形状で、手にしたときに重量感があるものが良品とされる。ひげ根が太く硬いものや、表面の凹凸(穴)が深いものは繊維質であることが多いため避ける。また、端から黒いヤニのようなもの(ヤラピン)が染み出しているものは、糖度が高い目安とされる。
下処理
アクが強いため、切った後はすぐに水にさらして変色を防ぐ。煮物や焼き菓子など、色を美しく仕上げたい場合は10〜15分ほど水にさらしてアクを抜く。栗きんとんやスイートポテトにする場合は、皮のすぐ内側にある硬い繊維層まで厚めに剥くと、口当たりがなめらかになる。
保存方法
寒さと乾燥に非常に弱い。10℃を下回ると低温障害を起こして腐りやすくなるため、冷蔵庫での保存は厳禁である。1枚ずつ新聞紙で包み、段ボール箱などに入れて、直射日光の当たらない風通しの良い常温(13〜15℃が理想)で保存する。土付きの方が保存性は高いため、すぐに使わない場合は洗わずに保存する。
時期・特徴
国内分布
主な産地は鹿児島県、茨城県、千葉県、宮崎県、徳島県など。特に鹿児島県は全国の生産量の約3割を占める。
時期
収穫は8月頃から11月頃まで行われるが、採れたてよりも2〜3ヶ月貯蔵することでデンプンが糖に変わり、甘味が増して美味しくなる。そのため、食べ頃の旬は10月〜1月頃。貯蔵技術の向上により、年間を通じて流通している。
栄養
主成分はデンプン。ビタミンCが豊富で、デンプンに守られているため加熱しても壊れにくいのが特徴。整腸作用のある食物繊維や、切った際に出る白い液状成分「ヤラピン」には便通を促す効果があるとされる。また、抗酸化作用のあるビタミンEや、高血圧予防に役立つカリウムも多く含む。
特徴
熱帯性の植物で、痩せた土地でも育つ強い生命力を持つ。加熱によりデンプンがアミラーゼという酵素によって麦芽糖に分解されるため、じっくり加熱することで甘味が強くなる。近年は品種改良が進み、従来の「ホクホク系(紅あずま等)」に加え、「ねっとり系(安納芋、紅はるか等)」や「しっとり系(シルクスイート等)」など、食感のバリエーションが豊富になっている。
品種・由来
- 品種名
ベニアズマ、高系14号(鳴門金時、五郎島金時等の母本)、紅はるか、安納芋、シルクスイート、黄金千貫(焼酎原料用)、種子島紫、パープルスイートロードなど。
- 分類:ヒルガオ科サツマイモ属
- 学名:Ipomoea batatas
由来
日本では、薩摩地方(現在の鹿児島県)から全国へ広まったため「サツマイモ(薩摩芋)」と呼ばれる。かつて中国(唐)から伝わったことから「カライモ(唐芋)」、琉球から伝わったことから「リュウキュウイモ(琉球芋)」とも呼ばれる。
伝来
中南米原産。コロンブスによってヨーロッパへ伝えられ、その後フィリピン、中国を経て、1605年に野国総管によって中国(明)から琉球へもたらされた。本土へは18世紀前半、江戸幕府の儒学者・青木昆陽が飢饉対策として栽培を推奨し、全国に普及した。
歴史背景
江戸時代の「享保の大飢饉」の際、痩せた土地や天候不順に強いサツマイモが多くの人々を救った。以来、救荒作物として重要な役割を果たしてきた。文化・文政年間には江戸で「焼き芋」が流行し、庶民の娯楽食として定着した。
備考
「栗(九里)より(四里)うまい十三里」という言葉は、江戸から十三里(約52km)離れた埼玉県川越市のサツマイモが美味しかったこと、および「9+4=13」をかけた洒落から生まれた。現在も川越はサツマイモの象徴的な産地として知られる。
