選び方・調理法
選び方
穂(頭)が固く締まっており、胞子が散る前のものが良品。茎が太く、節にある袴(はかま)の間隔が短いものは成長過程にあり柔らかい。
穂が開ききって緑色の胞子を飛ばしているものや、茎が長く伸びて首が垂れているものは、繊維が硬く食味が落ちる傾向にある。
下処理
【重要】 茎の節にある「袴」は硬くて口に残るため、調理前にすべて手で取り除く必要がある(指先がアクで黒くなることがある)。
胞子(緑色の粉)は苦味の原因となるため、苦手を和らげたい場合は袴を取る際や水洗いの段階で穂先を軽くはたいて落とすとよい。
【アク抜き】 アク(苦味・渋味)が強いため、たっぷりの湯で茹でた後、冷水に数時間~半日ほどさらし、何度か水を替えてアクを抜く。重曹を少量加えて茹でると鮮やかに仕上がる。
※天ぷらの場合は、袴を取ってよく洗い、水気を拭いて生のまま揚げることができる(揚げることで苦味が和らぐ)。
保存方法
収穫後は成長が進みやすく(穂が開いてくる)、水分も抜けやすいため、その日のうちに下処理を行うのが理想。
下茹で・アク抜き後のものは、水に浸した状態で冷蔵保存する(毎日水を替えれば2〜3日持つ)。長期保存の場合は、水気を絞って小分けにし、冷凍保存する。
時期・特徴
国内分布
日本全国の野原、土手、あぜ道などに広く自生する。市場流通することは稀で、主に春の摘み草として楽しまれる。
時期
3月~4月(地域によっては2月頃から)。桜の開花より少し前の時期が最盛期となる。
栄養
ビタミンE、β-カロテン、ビタミンC、ミネラル類を含む。
【摂取上の注意】 微量のアルカロイドや、ビタミンB1を分解する酵素「チアミナーゼ」を含む。しっかりとアク抜きを行い、季節の味覚として適量を楽しむ分には問題ないとされるが、生食や大量摂取、長期間の連用は避けるべきである(特に心臓・腎臓系に疾患がある場合は注意が必要とされる)。
特徴
トクサ科の多年草「スギナ」の胞子茎(ほうしけい)。春一番に地下茎から筆のような形をしたツクシが地上に現れ、胞子を放出した後に枯れ、入れ替わりで緑色の栄養茎であるスギナが生い茂る。
独特のほろ苦さと、シャキシャキとした歯ごたえが春の訪れを感じさせる食材。卵との相性が良く、卵とじにするのが定番である。
品種・由来
- 品種名:特になし
- 分類:トクサ科トクサ属
- 学名:Equisetum arvense
由来
和名「ツクシ」の語源には諸説あり、スギナにくっついて出ることから「付く子」、袴のところで継いでいるように見えることから「継ぐ子」、あるいは地面から突き出して生える「突く子」などが転じたとされる。
漢字の「土筆」は、土から生える筆のような姿に由来する。
伝来
日本在来種。北半球の温帯に広く分布している。
歴史背景
古くから春の摘み草(野遊び)の対象として親しまれてきた。江戸時代の料理書『料理物語』などにも記載があり、庶民の季節の食材として利用されてきた歴史がある。
備考
ツクシの後に生える緑色の「スギナ」は、硬くケイ素を多く含むため通常の野菜としては適さないが、乾燥させて「スギナ茶」として民間療法的に飲用されることがある。
