選び方・調理法
選び方
一般市場に生鮮品として流通することは極めて稀であるが、選ぶ際は根がふっくらとして張りがあり、葉が鮮やかな緑色で瑞々しいもの、切り口が変色していないものが良いとされる。根の形が整っている方が、漬け込む際に均一に圧力がかかり、品質が安定する。
下処理
非常に繊維質が強く、生食や一般的な加熱調理には向かない。伝統的には、根の皮を厚く剥き、塩漬けにした後、「室(むろ)」と呼ばれる加温装置の中で乳酸発酵させる。家庭で扱う場合は、細かく刻んで塩揉みにするか、じっくりと煮込んで繊維を柔らかくする工夫が必要となる。
保存方法
生鮮品は乾燥しないよう新聞紙などに包み、冷暗所または冷蔵庫の野菜室で保存する。ただし、基本的には収穫後すぐに漬物へと加工される食材である。加工品の「すぐき漬け」は、乳酸菌が生きており発酵が進むため、必ず冷蔵庫で保管し、開封後は早めに消費する。
時期・特徴
国内分布
京都府京都市北区の上賀茂地区を中心に栽培されている。京の伝統野菜の一つに指定されており、地域限定的な生産が守られている。
時期
収穫期は11月下旬から12月にかけての冬期。漬物として完成し、出回るのは12月上旬から翌年春頃までが中心となる。
栄養
葉の部分にはβ-カロテン、ビタミンC、葉酸、カルシウム、食物繊維が豊富に含まれる。根の部分は食物繊維が主成分である。特に伝統的な「すぐき漬け」は、ラブレ菌(ラクトバチルス・ブレビス・KB290)などの植物性乳酸菌を豊富に含み、整腸作用や免疫力を高める効果が期待されている。
特徴
カブの変種で、秋遅くに収穫される晩生種である。一般的なカブに比べて根が小さく、円錐形(くさび形)をしているのが特徴。葉は非常に大きく成長し、切れ込みがあるものとないものが混在する。肉質が極めて硬く、緻密な繊維を持つため、古くから本格的な乳酸発酵漬物である「すぐき漬け」の専用原料として扱われてきた。
品種・由来
- 品種名:スグキナ(すぐき菜)
- 分類:アブラナ科アブラナ属
- 学名:Brassica rapa L. var. neosuguki Kitam.
由来
独特の強い酸味を持つことから「酸茎(すぐき)」、あるいはその茎を指して「酢茎」と呼ばれたことが名の由来とされる。
伝来
詳しい渡来経路は不明だが、カブの仲間が日本に伝わった後、京都の地で独自に変異・選抜されたものと考えられている。
歴史背景
江戸時代初期には既に京都・上賀茂神社周辺の社家(しゃけ)の間で栽培されていたとされる。当時は贈答用の高級品として扱われ、栽培技術や種子は門外不出の「秘伝」として守られていた。明治時代以降に広く栽培されるようになったが、現在も上賀茂地区の伝統的な製法が継承されている。
備考
「すぐき漬け」は、千枚漬、しば漬と並び「京都の三大漬物」の一つに数えられる。写真は伝統的な製法で仕上げられた「すぐき漬け」である。
