選び方・調理法
選び方
全体に緑色が濃く鮮やかで、ツヤがあるものを選ぶ。穂先がキュッと締まっており、茎は太さが均一でまっすぐ伸びているものが良品。茎の太さにかかわらず、柔らかさはあまり変わらないが、太いほうが水分を多く含み食味が良いとされる。根元の切り口が乾燥・変色しておらず、みずみずしいものを選ぶ。「ハカマ(茎にある三角形の葉)」が正三角形に近いものは生育バランスが良いとされる。
下処理
根元の硬い部分は、手でしならせるとポキっと折れる箇所があるので、そこから下を取り除くか、包丁で切り落とす。根元から3〜5cm程度の皮は繊維が硬く筋っぽいため、ピーラーなどで薄くむく。口当たりを良くするためにハカマを取り除く場合もある。茹でる際は、塩を加えた熱湯に根元の方から先に入れ、時間差で全体を沈めると均一に火が通る。茹で上がったらザルに上げて冷ます(水にさらすと水っぽくなるため、自然放熱かうちわで扇ぐ)。
保存方法
収穫後も成長を続けようとしてエネルギーを消耗するため、鮮度が落ちやすい。乾燥を防ぐため湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れる。穂先を上にして冷蔵庫の野菜室に「立てて」保存する(横にすると起き上がろうとして曲がり、糖分やアミノ酸を消費して味が落ちる)。
時期・特徴
国内分布
北海道、佐賀、長崎、長野、福島、秋田など。北海道が国内最大の産地。
輸入品はメキシコ、オーストラリア、ペルーなど。
時期
通年流通しているが、産地リレーにより旬が異なる。
春芽(3月〜5月):九州、本州産が中心。甘みが強く柔らかい。
夏芽(6月〜9月):北海道、長野などの冷涼地産。成長が早く歯ごたえが良い。
輸入(10月〜2月):南半球や温暖な地域から。
栄養
アミノ酸の一種で、新陳代謝を促し疲労回復効果が期待される「アスパラギン酸」を豊富に含む(アスパラガスから発見された成分)。穂先には毛細血管を丈夫にするフラボノイド色素の「ルチン」や、ビタミンC、葉酸、β-カロテンなどが含まれる。ホワイトアスパラガスは遮光栽培のためグリーンに比べてビタミン類は少なめだが、サポニンなどの機能性成分を含む。
特徴
南ヨーロッパ原産の多年生植物。一度植えると10年近く収穫できる。一般的に流通しているのは「グリーンアスパラガス」だが、盛り土をして日光を遮断して育てた「ホワイトアスパラガス」や、表皮にアントシアニンを含む「紫アスパラガス」もある(紫は加熱すると緑色になる)。
株には雄(オス)と雌(メス)があり、食用として流通している多くは、穂先が締まっており収量が多い雄株である。甘み、ほろ苦さ、独特の香りがあり、茹でる、炒める、焼く、揚げるなど幅広い調理法に適する。
品種・由来
- 品種名:
ウェルカム:病気に強く栽培しやすい代表的な品種。
スーパーウェルカム、シャワー、バイトルなど多数。
紫アスパラガス:品種名「パープルタワー」など。甘みが強い。
ミニアスパラガス:若いうちに採ったものや細い品種。
- 分類:
キジカクシ科クサスギカズラ属
(旧分類ではユリ科)
- 学名:
Asparagus officinalis
由来
ギリシャ語で「新芽」や「たくさん分かれる」を意味する「asparagos(アスパラゴス)」に由来する。和名では、細かく分かれた葉がキジが隠れるほど茂ることから「オランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠)」、または成長した姿がウドに似ていることから「オランダウド(阿蘭陀独活)」と呼ばれる。
伝来
江戸時代にオランダ船によって長崎に持ち込まれたのが最初とされるが、当時は主に観賞用であった。食用として本格的に栽培されるようになったのは明治時代以降で、北海道開拓使によって導入され、大正時代に缶詰用のホワイトアスパラガスの栽培が始まった。昭和40年代以降、グリーンアスパラガスの需要が急増し、現在の主流となった。
歴史背景
ヨーロッパでは紀元前から栽培され、古代ギリシャ・ローマ時代には既に美食の対象や薬用として珍重されていた。フランス王ルイ14世が一年中食べるために専用の温室を作らせたエピソードから「王様の野菜」とも呼ばれる。
備考
フランス料理やイタリア料理などの西洋料理で頻繁に使われるほか、中華料理や和え物、天ぷらなどの和食にも合う。加工品としては水煮缶詰(ホワイトが主)、冷凍野菜などが一般的。
