選び方・調理法
選び方
表面に張りがあり、触ったときに硬く締まっているものを選ぶ。持ったときにずっしりと重みがあるものは水分が充実しており新鮮である。果皮が柔らかすぎるものや軽いものは、中の繊維が発達しすぎている(「スが入る」状態)可能性があるため避ける。食用には、大きく育ちすぎていない小ぶりの若い果実が適している。
下処理
【注意】 切り口を舐めてみて、激しい苦味を感じる場合は「ククルビタシン」という有毒成分を含んでいる可能性があるため、食中毒(腹痛・下痢等)を防ぐために食べずに廃棄すること。
皮は硬いため、ピーラーや包丁で厚めにむく。緑色を少し残すように包丁の背や刃でこそげ落とすと、煮崩れを防ぎつつ特有の風味を残せるが、食感を滑らかにしたい場合は完全にむきとる。用途に応じて輪切りや乱切りにする。
保存方法
乾燥に弱く、鮮度が落ちやすいため、購入後は早めに調理するのが望ましい。保存する場合は、乾燥を防ぐために新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存する。カットしたものはラップで密閉し、冷蔵庫で保存して早めに使い切る。
時期・特徴
国内分布
主に沖縄県、鹿児島県、宮崎県などの南九州で栽培・消費されている。近年は本州の直売所などでも見かけることがある。
時期
5月~10月(最盛期は7月~9月の夏場)
栄養
約95%が水分で低カロリー。カリウムを比較的多く含み、利尿作用によるむくみ解消が期待される。また、葉酸、ビタミンK、サポニン、食物繊維を含む。漢方や薬膳では、体の熱を冷ます食材(清熱)として扱われることが多い。
特徴
インドないし東南アジア原産とされるウリ科の野菜。本州では繊維を利用する「ヘチマたわし」や化粧水のイメージが強いが、沖縄や南九州では重要な夏野菜である。沖縄の方言では「ナーベーラー」と呼ばれる。
独特の土っぽい香りと、加熱した際のトロリとした濃厚な甘みが特徴。油との相性が良く、味噌煮や炒め物にするとナスのように果肉がとろけ、種のプチプチとした食感がアクセントになる。
品種・由来
- 品種名:
太ヘチマ(ダルマヘチマ)、短太ヘチマ、三尺ヘチマ(長ヘチマ)、食用改良種(香川本鷹など)
※沖縄では、ずんぐりとした短太系の品種が主流である。
- 分類:ウリ科ヘチマ属
- 学名:Luffa aegyptiaca Mill. (syn. Luffa cylindrica)
由来
和名「ヘチマ」は、本来「イトウリ(糸瓜)」と呼ばれていたことに由来する。「イトウリ」の「ト」は、イロハ歌で「ヘ」と「チ」の間にある文字であることから、「ヘとチの間(マ)」=「ヘチマ」という洒落で呼ばれるようになったとされる。
沖縄方言の「ナーベーラー」は、「鍋洗い(なべあらい)」が転訛したものといわれ、完熟して繊維化した果実で鍋を洗っていたことにちなむ。
伝来
日本へは室町時代から江戸時代初期(17世紀頃)に中国を経て渡来したとされる。
歴史背景
江戸時代の『多識編』(1630年)や貝原益軒の『大和本草』(1709年)などに記載があり、古くから栽培されていた。当時は主にたわしとしての利用や、茎から採取する「ヘチマ水」が化粧水や民間薬(咳止め・利尿)として珍重された。沖縄では古くから日常的な食材として定着しており、独自のスローフード文化を形成している。
備考
近縁種に、果実に10本の鋭い稜(角)がある「トカドヘチマ(十角糸瓜/英:Angled Luffa)」があり、これも同様に食用とされるが、一般的な円筒形のヘチマとは区別される。
完熟させて乾燥させた繊維塊(ヘチマたわし)は、天然素材のスポンジとして環境面からも再評価されている。
