選び方・調理法
選び方
葉の緑色と、茎(葉柄)の根元の赤紫色のコントラストが鮮やかで、全体にツヤがあるものを選ぶ。葉先までピンとしており、みずみずしいものが新鮮。茎が折れていたり、切り口が変色しているものは避ける。
下処理
【錨(いかり)防風】
刺身のあしらいにする場合の伝統的な技法。
茎を適当な長さに切り、両端から軸の真ん中あたりまで十字に切り込みを入れる(軸の中心はつなげておく)。
冷水(あれば氷水)に放つと、切り込んだ部分が外側にくるりと反り返り、船の錨のような形になる。
※酢を少々加えた水に放つと、赤色がより鮮やかになる。
調理用には、根元の硬い部分を少し切り落とし、よく洗ってから使用する。
保存方法
乾燥に弱いため、湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋や密閉容器に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存する。香りが飛びやすいため、なるべく早く使い切る。
時期・特徴
国内分布
天然物は日本全土の海岸砂地に自生するが、現在は乱獲や護岸工事により減少しており、市場に流通するのはほとんどが栽培もの。
主産地は埼玉県川口市(旧神根村・木積地区)で、高級料亭向けの促成栽培(軟化栽培)が行われている。その他、茨城県や千葉県などでも栽培される。
時期
栽培ものは通年流通しているが、旬は新芽が出る2月〜5月頃。天然物は3月〜4月頃に柔らかい若芽が採取できる。
栄養
β-カロテン、ビタミンC、カリウムなどが含まれる。特有の芳香成分(クマリン類など)を持ち、食欲増進や発汗解熱の作用があるとされる。
特徴
セリ科の多年草で、海岸の砂地に自生し、地中に長いゴボウ状の根を伸ばす。
野菜としての利用は、主に若芽や茎(葉柄)の部分。セリ科特有の清涼感のある香りとほろ苦さ、シャキシャキとした食感が特徴。
古くから日本料理の「あしらい(つま)」として、刺身や吸い物に添えられ、彩りと香りを添える高級食材として扱われる。生食以外にも、天ぷらや酢味噌和え(ぬた)、炊き込みご飯などにしても美味。
品種・由来
- 品種名:特になし(栽培種と自生種がある)
- 分類:セリ科ハマボウフウ属
- 学名:Glehnia littoralis
由来
中国原産の生薬「防風(ボウフウ)」(セリ科の植物の根)に効能や風味が似ており、浜辺に自生することから「浜防風(ハマボウフウ)」と名付けられたとされる。
※「砂が風で飛ぶのを防ぐ」という意味ではないとされるが、実際に防砂の役目を果たすこともある。
伝来
日本を含む東アジアの海岸に古くから自生している。
歴史背景
平安時代の『延喜式』にも記載があり、古くから食用・薬用として利用されてきた。江戸時代には「防風飯」として親しまれた記録がある。明治時代に入り、埼玉県などで畑での本格的な栽培が始まり、刺身のつまとしての需要に応えるようになった。
備考
根の部分は「北沙参(ホクシャジン)」と呼ばれる生薬(民間薬では浜防風)として扱われ、発汗、解熱、鎮痛などの作用があるとされるが、一般的に野菜として流通するのは地上の茎葉部分である。
