選び方・調理法
選び方
表面に亀裂がなく、全体の太さが均一で真っ直ぐに伸びているもの。ひげ根が少なく、触れた際にしっかりとした硬さと弾力があるものが良品とされる。特有の香りは皮の部分に多いため、風味が強い「土つき」を選ぶのが望ましい。先端が細すぎず、切り口に「ス(空洞)」が入っていないか確認する。
下処理
たわしなどで表面の土を洗い落とし、包丁の背で皮を軽くこそげ落とす程度にする。皮を厚く剥きすぎると風味が損なわれるため注意が必要。アクが強く変色しやすいため、切った後は水または1〜2%程度の薄い酢水にさらすが、長くさらしすぎるとポリフェノールなどの栄養成分や旨味が流出するため、短時間(数分程度)に留めるのが現代の調理法では一般的である。
保存方法
乾燥を極端に嫌うため、土つきのものは新聞紙に包んで冷暗所に置く。夏場や洗いゴボウの場合は、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存する。使いかけのものはラップで密閉し、早めに使い切る。土つきであれば冬場は長期保存が可能だが、鮮度が落ちると「ス」が入りやすくなる。
時期・特徴
国内分布
主な産地は青森県、茨城県、北海道、千葉県、宮崎県など。国内自給率は高いが、一部中国や台湾からも輸入されている。
時期
一般に流通する「滝野川群」などは11月〜2月頃に旬を迎える。一方、初夏(4月〜6月頃)に出回るものは「新ゴボウ」と呼ばれ、香りが上品で柔らかい。大阪府八尾市の「若ゴボウ(葉ゴボウ)」は1月〜3月頃が最盛期となる。
栄養
水溶性食物繊維のイヌリン、不溶性食物繊維のセルロースやリグニンが極めて豊富。カリウムやマグネシウムなどのミネラル、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も含んでいる。イヌリンは血糖値の上昇抑制や整腸作用に寄与するとされる。
特徴
独特の歯ごたえと土の香りが特徴の根菜。古くからアジア圏を中心に食用とされてきたが、特に野菜として品種改良が進み、日常的に大量消費するのは日本を中心とした東アジア地域に限られる。近年は健康成分への注目から「Burdock root」として欧米でも認知度が高まっている。
品種・由来
- 品種名
長根種(滝野川、柳川理想、渡辺早生)、短根種(山田早生)、大浦ゴボウ、堀川ゴボウ(京野菜)、サラダゴボウ、葉ゴボウ(若ゴボウ)など。
- 分類:キク科ゴボウ属
- 学名:Arctium lappa L.
由来
中国語で「草木の根」を意味する「蒡」に、牛のように大きいことを示す「牛」を冠した「牛蒡(ぎゅうぼう)」が転訛したものといわれる。
伝来
平安時代以前に、中国から薬用として伝来したとされる。『本草和名』(918年頃)には「きたきす」の名で記載があり、宮廷料理などで食用にされていた記録が残る。
歴史背景
ユーラシア大陸原産。古くは民間薬として解毒や解熱に用いられていた。江戸時代に入ると栽培技術が向上し、関東の「滝野川ゴボウ」を中心に庶民の野菜として広く普及した。日本の食文化において、根を長く育てる独自の選抜淘汰が行われてきた。
備考
「ヤマゴボウ」として観光地等で売られている漬物は、キク科アザミ属の「モリアザミ」等の根であり、植物学的には本種とは別属である。また、有毒植物である「ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)」は全くの別物であり、誤食による食中毒に注意を要する。
