選び方・調理法
選び方
葉先までみずみずしく張りがあり、肉厚なものを選ぶ。茎が太すぎず、指で折れる程度の柔らかいものが良品。一般的に先端から10〜15cm程度の若い芽が食用とされる。葉が黄色く変色しているものや、しおれているものは避ける。
下処理
シュウ酸を含むため、基本的には下茹でが必要。たっぷりの熱湯に塩を加え、さっと茹でてから冷水にさらし、アクを抜く。茹で過ぎると独特の食感が損なわれるため注意する。おひたしや和え物にする際は、水気をしっかり絞ってから使用する。
※若い葉は生食も可能とされるが、多量摂取は控えることが推奨される。
保存方法
乾燥に弱いため、湿らせたキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する。鮮度が落ちやすいため、2〜3日以内に使い切るのが望ましい。長期保存する場合は、硬めに茹でて水気を切り、小分けにして冷凍保存する。
時期・特徴
国内分布
北海道南部から沖縄にかけての海岸の砂地に自生。現在は日本各地で野菜として栽培も行われている。
時期
露地物の旬は5月〜10月頃。耐暑性が強く、葉野菜が不足しがちな真夏でも収穫できる貴重な食材である。
栄養
β-カロテン、ビタミンK、鉄分などを豊富に含む緑黄色野菜。カリウムやカルシウムも含まれる。また、胃の粘膜を保護するとされるムチン(多糖類)を含み、古くから薬膳や民間療法でも利用されてきた。
特徴
海岸沿いに自生するハマミズナ科の半耐寒性多年草(寒冷地では一年草)。多肉質の葉と茎を持ち、表面は「塩嚢細胞(えんのうさいぼう)」と呼ばれるキラキラとした粒状の突起で覆われているのが特徴。食感はホウレンソウに似ているが、加熱すると特有のぬめりとシャキッとした歯ごたえが出る。
品種・由来
- 品種名:ツルナ(本種のみ流通が一般的)
- 分類:ハマミズナ科ツルナ属
- 学名:Tetragonia tetragonioides
由来
茎が地面を這うように長く伸び、ツル状に広がることから「蔓菜(ツルナ)」と名付けられたとされる。別名として「ハマヂシャ(浜萵苣)」や、沖縄では「ハマホウレンソウ」とも呼ばれる。
伝来
日本を含む太平洋沿岸地域(東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド、南米など)に広く自生しているため、特定の外来伝来ではない。
歴史背景
日本では古くから海岸に自生するものを食用として利用してきた。江戸時代の書物『大和本草』にも記述が見られる。世界的には、1770年にキャプテン・クックがニュージーランドで発見し、壊血病予防のために船員に食べさせたことから「ニュージーランド・スピナッチ(New Zealand Spinach)」の名で欧州に持ち帰られ、野菜として普及した経緯がある。
備考
近縁種のアイスプラントも同じハマミズナ科であり、葉の表面の粒状突起などの特徴が共通している。
