選び方・調理法
選び方
果皮の緑色が濃く、全体にハリとツヤがあり、太さが均一なものを選ぶ。表面のイボが鋭く、触ると痛いほどチクチクしているものが新鮮とされる。持ったときに重みがあり、両端に弾力があるものは良品だが、全体的に柔らかいものや、端が萎びているものは鮮度が落ちているため避ける。なお、曲がっていても味に大差はないが、調理のしやすさ(歩留まり)を考慮する場合は直線のものを選ぶ。
下処理
表面の汚れを洗い流し、必要に応じて「板ずり(塩を振ってまな板の上で転がす)」を行う。これによりイボが取れて口当たりが良くなり、組織が引き締まって皮の色が鮮やかになる。また、ヘタ付近には苦味成分(ククルビタシン)が含まれることがあるため、調理に応じて厚めに切り落とすか、切り口をこすり合わせて灰汁を出す手法も用いられる。
保存方法
低温と乾燥に弱いため、ポリ袋に入れるか新聞紙等で包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保存するのが望ましい。理想的な保存温度は10〜15℃程度とされ、5℃以下では低温障害を起こして水っぽくなる場合があるため注意を要する。水気が付いていると傷みが早まるため、水分を拭き取ってから保存する。
時期・特徴
国内分布
主な産地は宮崎県、群馬県、埼玉県、福島県、茨城県、高知県など。冬から春にかけては宮崎県や高知県などの温暖な地域での施設栽培(促成栽培)が中心となり、夏から秋にかけては福島県や群馬県などの寒冷地・高冷地での露地栽培が中心となるため、年間を通じて安定して流通している。
時期
通年流通しているが、本来の旬は6月〜8月の夏季。夏場の路地物は香りが強く、水分を豊富に含む。
栄養
成分の約95%が水分であり、カリウム、ビタミンK、ビタミンC、食物繊維、β-カロテンなどを微量に含む。かつては「世界一栄養のない果実」とギネス記録に記載されていたが、これは「低カロリーであること」を指しており、実際にはカリウムによる利尿作用や、体にこもった熱を逃がす効果が期待できる食材である。なお、ビタミンCを破壊する酵素(アスコルビナーゼ)を含むとされるが、酢やレモン汁などの酸を加えたり、加熱したりすることでその働きを抑制できる。
特徴
日本の市場で主流なのは、果皮が薄くイボが白い「白いぼ種」である。かつては表面に白い粉をふく「ブルーム(果粉)」があるものが新鮮さの証とされていたが、現在は見た目の清潔感や輸送効率の観点から、粉がでない「ブルームレス種」が流通の大半を占める。ただし、ブルームレス種は皮が硬くなる傾向があるため、食味や漬物への適性を重視し、在来のブルーム種が見直される動きもある。
品種・由来
- 品種名:白いぼ胡瓜(主流)、黒いぼ胡瓜、四葉(スーヨー)、加賀太きゅうり、相模半白、青長系地這、笠置三尺、畔藤、聖護院、ときわ、夏節成
- 分類:ウリ科キュウリ属
- 学名:Cucumis sativus
由来
漢字の「胡瓜」は、漢の時代に西域(胡)から中国へ伝わった瓜であることに由来する。また、完熟すると果実が黄色くなるため「黄瓜(きうり)」と呼ばれたという説や、独特の青臭さから「臭瓜」とされた説がある。
伝来
日本へは6世紀後半(平安時代以前)に遣唐使らによって中国から伝わったとされるが、当時は苦味が強く食用としては普及しなかった。食用として本格的に栽培が普及したのは、苦味の少ない品種が導入・改良された17世紀(江戸時代中期)以降である。
歴史背景
約3000年前からインド北部(ヒマラヤ山麓)で栽培されていたとされる非常に歴史の古い野菜である。日本における江戸時代前期の農書『農業全書』では「下品の瓜なり」と評され、評価は低かった。また、キュウリの切り口が徳川家の紋(三つ葉葵)や祇園社の紋(五瓜に唐花)に似ていることから、武士や氏子が食べるのを避けたという俗説も有名である。
備考
- 加工品として、プロピクルス用の小型品種(ガーキン)や、各地の伝統野菜(加賀太きゅうり等)が使い分けられる。
- 西洋料理では、皮を剥いて種を取り除き、加熱調理して付け合わせにする手法も一般的である。
