選び方・調理法
選び方
【モウソウチク(一般的な筍)】
ずんぐりと太く、釣鐘型で重量感があるものを選ぶ。皮は薄茶色でツヤがあり、うぶ毛が揃っており、少し湿り気があるものが新鮮。
穂先の色が重要で、黄色いものが地中から掘り出された良品。穂先が緑色のものは日光に当たっており、えぐみが強く筋っぽい場合がある。
根元の切り口が白くみずみずしいもの、根元の赤い粒々(イボ)が小さく少ないものが柔らかい。粒が赤黒く大きくなっているものは成長しすぎて硬い可能性がある。
下処理
時間が経つほどアク(えぐみ)が強くなり、硬くなるため、入手したらすぐに茹でることが鉄則。
下準備:穂先を斜めに切り落とし、皮に縦に一本深めの切り込みを入れる(火の通りを良くし、皮を剥きやすくするため)。
アク抜き:鍋にタケノコがかぶるくらいの水を入れ、米ぬか(一握り)と赤唐辛子(1〜2本)を加えて強火にかける。
茹でる:沸騰したら落とし蓋をし、弱火で40分〜1時間ほど茹でる。根元に竹串がスッと通れば茹で上がり。
冷ます:茹で汁につけたまま、常温になるまで完全に冷ます(急冷するとアクが戻ったり、身が縮んだりする)。
仕上げ:冷めたら皮をむき、水洗いして保存する。
保存方法
【下茹で後】
皮をむいたタケノコを保存容器に入れ、全体が浸るように水を張って冷蔵庫で保存する。毎日水を替えれば、3〜5日程度は日持ちする。
【皮付き(生)】
生の状態では鮮度の低下が著しいため、保存はせず直ちに下茹でするのが原則。
時期・特徴
国内分布
商業的な主な産地は、福岡県、鹿児島県、熊本県などの九州勢に加え、京都府、静岡県、徳島県、石川県など。
特に京都の「京たけのこ(乙訓地域など)」や石川の「加賀野菜」としてのタケノコが有名。
時期
モウソウチク:3月〜5月(最盛期は4月)。九州など温暖な地域から出荷が始まる。
ハチク・マダケ:5月〜6月。
ネマガリダケ:5月〜6月(東北や信越地方など)。
栄養
タンパク質が豊富で、カリウム、食物繊維(不溶性)を多く含む。
茹でたタケノコの節の間などに見られる白い粉状の付着物は、チロシンというアミノ酸の一種(結晶化したもの)。脳の活性化や集中力を高める効果があるとされ、無害であるため洗い流す必要はないが、見た目が気になる場合は竹串などで取り除く。
特徴
イネ科タケ亜科の植物の若芽(地下茎から出る新芽)。日本には600種以上の竹・笹があるが、食用として流通するのは数種類である。
最も一般的な「モウソウチク(孟宗竹)」は、肉厚で柔らかく、独特の甘みと香り、歯切れの良さが特徴。穂先(姫皮含む)は吸い物や和え物に、中央部は煮物や揚げ物に、根元は炊き込みご飯や炒め物に使い分けることで、食感の違いを楽しめる。
時間が経つとシュウ酸やホモゲンチジン酸などのアク成分が増加するため、鮮度が命の食材とされる(「朝掘り」が珍重される理由)。
品種・由来
- 品種名:
モウソウチク(孟宗竹):国内流通の大半を占める代表種。太く肉厚。
マダケ(真竹):5〜6月に出回る。細身で肉質は硬めだが、味が濃く歯ごたえが良い。
ハチク(淡竹):5月頃。皮が赤紫色で、アクが少なく淡白な味わい。
ネマガリダケ(根曲がり竹/チシマザサ):信越・東北地方で好まれる。細く、アクが少ないため山菜として扱われることも多い。
- 分類:イネ科マダケ属(※モウソウチクはマダケ属、またはモウソウチク属に分類される)
- 学名:Phyllostachys edulis (または Phyllostachys heterocycla)
由来
漢字の「筍」は、竹の冠に「旬」と書くが、これは成長が非常に早く、芽が出てから「一旬(約10日間)」で竹になってしまうことに由来するとされる。
「孟宗竹」の名は、中国の故事『二十四孝』に登場する親孝行な息子・孟宗(もうそう)が、病気の母のために雪の中でタケノコを探し当てたという逸話にちなむ。
伝来
モウソウチクは、1736年(元文元年)に薩摩藩主・島津吉貴が琉球を経て中国(江南地方)から導入し、仙巌園に植えたのが始まりとされる(※導入時期や場所には諸説あり、1600年代説や京都への伝来説もあるが、薩摩経由が通説)。
歴史背景
日本在来のマダケやハチクは古くから食用とされ、『古事記』や『日本書紀』にも記述が見られる。江戸時代中期にモウソウチクが渡来すると、その味の良さから急速に普及し、各地で栽培が行われるようになった。京都や江戸近郊では、より柔らかく白く育てるための「土入れ」などの栽培技術が発達した。
備考
別名:タケノコ(竹の子)
英語名:Bamboo shoots
加工品:水煮、缶詰、メンマ(麻竹を発酵・乾燥させたもの)
部位別の使い分け:先端(姫皮)は酢の物や汁物、中央は煮物や焼き物、根元は炒め物やご飯物にすると、それぞれの食感を活かせる。
