選び方・調理法
選び方
つぼみが小さく引き締まっており、密集しているものを選ぶ。花が咲き始めているものや、黄色い花弁が見えているものは、収穫から時間が経過しているか育ちすぎであり、食感や風味が落ちる傾向にある(「花」としての飾り目的を除く)。
葉や茎は鮮やかな緑色で、ピンと張りがあるものが良い。切り口を確認し、みずみずしく、空洞化していないもの、変色していないものを選ぶ。
下処理
根元の硬い部分は少し切り落とす。茎が太い場合は、火の通りを均一にするため、縦半分または十字に切り込みを入れる。
茹でる際は、塩を加えた熱湯に、硬い茎の部分から先に入れ、少し遅れて葉や蕾の部分を入れると均一に仕上がる。茹で上がったら冷水に取って色止め(冷ます)をし、水気を絞る。ビタミンCの流出を防ぐため、水にさらす時間は短時間にとどめる。
保存方法
乾燥に弱いため、湿らせた新聞紙やペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する。その際、畑にある状態と同じく「立てて」保存すると、エチレンガスの発生が抑えられ鮮度が長持ちする。
茹でてから水気をよく絞り、ラップに包んで冷凍保存することも可能。
時期・特徴
国内分布
主産地は千葉県(全国シェアの多くを占める)。次いで徳島県、香川県、高知県、茨城県など。
時期
冬~春
(12月頃から出回り始めるが、本来の旬は2月~3月頃。春の訪れを告げる野菜とされる)
栄養
緑黄色野菜の中でもトップクラスの栄養価を誇る。特にビタミンCが非常に豊富で、ホウレンソウの数倍含まれるとされる。その他、β-カロテン、ビタミンB群(B1、B2)、カルシウム、鉄分、食物繊維、葉酸をバランスよく含む。特有の辛味成分はイソチオシアネートによるもの。
特徴
特有のほろ苦さと香り、鮮やかな緑色が特徴。
市場には主に2つのタイプが流通している。
和種(在来種):葉の色が薄く、茎が細く柔らかい。蕾と茎を食用とする。「菜の花」として早春に出回るものはこのタイプが多い。お浸しや和え物に向く。
洋種(西洋種):葉の色が濃く、茎が太い。蕾だけでなく、葉と茎のボリューム感を味わうタイプ。アクが少なく、炒め物やパスタなど油との相性が良い。
品種・由来
- 品種名:
【和種系】菜花、ハナナ(房総など)、京都の「伏見寒咲」など
【洋種系】農林、三陸つぼみ菜、のらぼう菜(江戸東京野菜)、オータムポエム(アスパラ菜)など
※広義には、食用とするアブラナ科のトウ立ち(花茎)全般を指す。
- 分類:アブラナ科アブラナ属
- 学名:
Brassica rapa L. (和種・アブラナ)
Brassica napus L. (洋種・セイヨウアブラナ)
由来
「ナバナ(菜花)」は「菜(葉物野菜)の花」という意味。元来はアブラナ科の野菜の花茎全般を指していたが、現在は食用に品種改良されたもの、または食用として摘み取られた若い花茎を指して「ナバナ」と呼ぶのが一般的である。
伝来
アブラナ(和種)は、弥生時代から奈良時代にかけて、中国大陸から伝来したとされる。古くは「アオナ(青菜)」と呼ばれ、野菜として利用されていた。
歴史背景
江戸時代には照明用の「菜種油」を採るための作物として栽培が盛んになり、食用はその副産物(摘み取り)としての利用が主であった。
明治時代に入ると、油の採取量が多い「セイヨウアブラナ」が導入され、主流となった。
現在のように、野菜専用の品種(食用ナバナ)として周年栽培や品種改良が進み、一般家庭の食卓に広く普及したのは昭和に入ってから、特に1970年代以降とされる。
備考
「菜の花(ナノハナ)」は花そのものを指す呼称として、「ナバナ」は食材としての呼称として使い分けられることが多いが、厳密な定義はなく混用されている。食材としては、まだ蕾の状態のものを指すのが一般的。
