選び方・調理法
選び方
持ち上げた際にずっしりと重みがあるもの、甲羅が硬く、腹側の「ふんどし」と呼ばれる部分が白く清潔なものを選ぶ。活きの良さが味を左右するため、原則として活魚(生きた状態)での購入を推奨する。脚の付け根を押して弾力があるものは身が詰まっている証拠とされる。時期により、秋は身の詰まったオス、冬から初春にかけては「内子(うちこ)」を持つメスが珍重される。
下処理
活きているものは、そのまま加熱すると自ら脚を切り離す(自切)ことがあるため、真水に浸けるか氷水で締めてから調理する。タワシなどで殻の汚れをよく洗い流す。甲羅を外し、食べられない「ガニ(エラ)」を完全に取り除く。砂を含んでいることがあるため、口の周辺も丁寧に取り除く。
保存方法
鮮度低下が非常に早いため、入手した当日の調理が基本である。やむを得ず保存する場合は、加熱してから冷蔵、またはラップに包んで密閉し冷凍する。
時期・特徴
国内分布
北海道南部から九州、沖縄にかけての日本各地。特に波の穏やかな内湾(東京湾、伊勢湾、三河湾、瀬戸内海、有明海など)が主要な産地である。
時期
通年流通しているが、身を味わうオスは夏から秋(8月〜10月頃)、濃厚な内子を楽しむメスは冬から初春(12月〜4月頃)が最も美味とされる。
栄養
高タンパク・低脂質な食材。タウリン、亜鉛、銅などのミネラルが豊富に含まれている。殻には色素成分のアスタキサンチンが含まれ、加熱により赤く発色する。
特徴
ワタリガニ科に属するカニの総称として使われることが多いが、標準和名は「ガザミ」である。一番後ろの脚がパドル状の「遊泳脚」になっており、海中を自在に泳ぐことができる。身は甘みが強く非常に繊細で、カニ味噌や内子の濃厚な味わいは格別である。
品種・由来
- 品種名:ガザミ(ワタリガニ)
- 分類:十脚目ワタリガニ科ガザミ属
- 学名:Portunus trituberculatus
由来
「ワタリガニ」の名は、潮流に乗って海を渡り、広範囲を移動する習性に由来する。「ガザミ」の語源は、強力なハサミで「カニが(指を)挟む」から転じたという説がある。
伝来
日本近海から東シナ海にかけて広く分布する在来種。
歴史背景
古くから内湾の浅瀬で容易に獲れたため、庶民の味として親しまれてきた。江戸時代の料理書にもその名が登場し、現代でも蒸しガニや茹でガニ、パスタ、チゲ、カンジャンケジャンなど、和洋中問わず幅広く利用されている。
備考
近縁種:タイワンガザミ(アオガニ)、ジャノメガザミ、シマイシガニ、ノコギリガザミ(エチゼンガニ等とは分類が異なる)。
外国語名:Swimming crab(英)、Crabe bleu(仏)
加工品:パスタソース、スープの素、冷凍むき身
