選び方・調理法
選び方
頭付きの場合は、頭部と胴体がしっかりとつながっており、殻にハリと透明感があるものを選ぶ。鮮度が落ちると頭部から黒ずみ(自己消化)が始まり、身が柔らかく崩れやすくなる。むき身や無頭の状態で購入する場合は、ドリップ(汁気)が出ておらず、薬品臭や腐敗臭のないものが良品。全体に色がくすんで濁っているものは避ける。
下処理
背ワタは砂を含んでいることが多いため、殻の間から竹串などで丁寧に引き抜く。天ぷらやフライにする際は、加熱による丸まりを防ぐため、腹側に数箇所切り込みを入れ、関節を折るようにしてまっすぐに伸ばすと仕上がりが美しくなる。また、尾の先を少し切り落として中の水分をしごき出すと、油跳ねを防止できる。
保存方法
基本的には冷蔵保存し、購入した当日か翌日には使い切るのが望ましい。保存する際は乾燥を防ぐため、軽く湿らせたペーパータオルで包み、密閉容器やポリ袋に入れる。長期保存する場合は、殻付きのまま、あるいは背ワタなどの下処理を済ませてから、重ならないようにラップで包んで冷凍する。
時期・特徴
国内分布
主な生息域は黄海や東シナ海であり、日本国内での漁獲量は極めて少ない。かつては山口県や福岡県などの一部地域で水揚げがあったが、現在は中国や韓国からの輸入ものが流通の主流となっている。
時期
天然ものの漁期は秋から冬にかけて(10月〜翌3月頃)であり、この時期に旬を迎える。ただし、冷凍流通が発達しているため、市場では通年入手が可能である。
栄養
高タンパク・低脂肪で、カロリーを控えたい献立に適している。呈味成分であるグリシンなどのアミノ酸に加え、骨の形成を助けるマグネシウムやカルシウム、細胞の再生に関わるビタミンB2、赤血球の形成を助けるビタミンB12などのミネラル・ビタミン類をバランスよく含む。
特徴
クルマエビ科に属する大型のエビで、体長は20cm〜25cmほどになる。クルマエビと姿は似ているが、体に横縞模様がなく、尾の先端が黒っぽいのが識別点。生存時は淡褐色で透明感があるが、死後は次第に灰青色へと変化する。冬場の越冬直前の雌は「赤ミソ」と呼ばれるオレンジ色の卵巣が発達し、濃厚な旨味を持つことで珍重される。
品種・由来
- 品種名:コウライエビ(高麗海老)
- 分類:十脚目クルマエビ科コウライエビ属
- 学名:Fenneropenaeus chinensis
由来
「タイショウエビ(大正海老)」という名は、大正時代に朝鮮半島西岸での漁業を本格化させた「大正組」という業者が、このエビを商品名として売り出したことに由来する。
伝来
古くから東アジア近海に生息していたが、日本で一般消費が拡大したのは大正時代以降の組織的な漁獲・流通が始まってからとされる。
歴史背景
昭和30年代から40年代にかけては、日本で「エビ」といえば本種を指すほど一般的であり、家庭料理や料理番組で最も多用される高級食材の代名詞であった。その後、ブラックタイガーやバナメイエビの養殖品が普及したことで相対的な流通シェアは低下したが、現在もその品質の高さから根強い人気を誇る。
備考
肉質が締まりすぎず、適度な柔らかさと甘みがあるため、エビチリなどの炒め物、クリーム煮、天ぷら、塩焼きなど、幅広い調理法に適合する。
