選び方・調理法
選び方
生鮮品(生サクラエビ)は、透き通った鮮やかな桜色をしており、身に弾力と光沢があるものを選ぶ。頭部が黒ずんでいるものや、全体に白濁しているものは鮮度が落ちている可能性があるため避ける。乾燥品は、色が均一で退色しておらず、形が崩れていないものが良品とされる。
下処理
生鮮品はボウルに入れ、薄い塩水でさっと洗って汚れやゴミを落とす。水気をよく切ることが重要である。長い触角(ひげ)は口に当たるため、丁寧な仕込みを要する料理では取り除くことが望ましい。加熱調理の際は、水分を飛ばすように加熱すると香ばしさが引き立つ。
保存方法
生鮮品および釜揚げは非常に傷みやすいため、乾燥を防ぐよう密閉して冷蔵保存し、早めに使い切る。長期保存の場合は冷凍が可能。乾燥品は酸化と湿気を嫌うため、脱酸素剤と共に密閉容器に入れ、冷暗所(可能であれば冷蔵庫)で保存する。
時期・特徴
国内分布
日本国内で漁業権が認められているのは、静岡県の駿河湾のみである。主に大井川口、富士川口、安倍川口の周辺に生息している。
時期
漁期は春(3月下旬〜6月上旬)と秋(10月下旬〜12月下旬)の年2回に制限されている。産卵期の夏と、成長を待つ冬は資源保護のため禁漁となる。
栄養
殻ごと摂取するため、カルシウムやマグネシウム、リンなどのミネラル類が極めて豊富である。また、色素成分であるアスタキサンチンを含み、抗酸化作用が期待される。タンパク質、ビタミンB12、葉酸なども含まれる。
特徴
体長約40mm前後の小型のエビで、深海200〜600m付近に生息する。夜間になると餌を求めて水深20〜60m付近まで浮上する日周鉛直移動を行うため、この習性を利用して漁獲される。体表面には約160個の発光器があり、水中で美しく光ることから「海の宝石」とも称される。
品種・由来
- 品種名:サクラエビ(桜海老)
- 分類:十脚目サクラエビ科サクラエビ属
- 学名:Sergia lucens
由来
透き通った体が桜の花びらのように美しいピンク色に見えることから「サクラエビ」と名付けられたとされる。
伝来
1894年(明治27年)、駿河湾の由比(現在の静岡市清水区)の漁師である今文こと望月文蔵と、海野丈蔵の2人が、アジの夜曳き漁の最中に網を深く沈めすぎてしまった際、偶然にも大量のサクラエビが網に入ったことが発見のきっかけとされている。
歴史背景
明治期の発見以前から生息はしていたが、深海に生息するため食用としての存在は知られていなかった。発見後は、富士川の河川敷での天日干し風景が地域の風物詩となり、保存技術や輸送網の発達とともに全国へ流通するようになった。
備考
別名:ヒカリエビ(発光することに由来)
主な料理:かき揚げ、刺身(生食)、釜揚げ、沖あがり(漁師風のすき焼き)、パスタ、塩辛
加工区分:
- 素干し:生のまま天日または乾燥機で干したもの。
- 釜揚げ:煮釜で塩ゆでしたもの。
- 煮干し:茹でた後に乾燥させたもの。
類似種:台湾産(同種だが、国内産に比べ殻がやや厚いとされる)、アキアミ(アミエビ、着色加工されることが多い別属の種)
