選び方・調理法
選び方
全体に鮮やかな赤橙色で、殻にツヤと透明感があるものを選ぶ。頭部や節の部分が黒ずんでいるものは鮮度が落ちているため避ける。身が詰まっていて重みを感じるもの、生きた状態(活け)であればなお良い。
下処理
殻が非常に硬く、頭部や脚に鋭い棘があるため、扱う際は軍手などを用いると安全である。背わたは、尾の節の間に竹串を刺して引き抜く。刺身にする場合は、頭と胴の間に包丁を入れ、殻から身を丁寧に取り出す。頭部は良い出汁が出るため、半分に割って味噌汁やソースのベースに活用する。
保存方法
鮮度低下が早いため、入手後は速やかに調理することが望ましい。保存する場合は、乾燥を防ぐため湿らせたペーパータオルなどで包み、密閉容器に入れて冷蔵(チルド)保存する。長期保存の場合は、急速冷凍を行うか、ボイルしてから冷凍する。
時期・特徴
国内分布
千葉県沖から高知県にかけての太平洋沿岸、水深200〜400m程度の深海泥底に生息する日本固有種。主な産地としては、静岡県の駿河湾(戸田など)、愛知県の三河湾、三重県、神奈川県の相模湾などが知られる。
時期
産地によって多少前後するが、一般的には秋から翌春(9月〜5月頃)にかけて漁獲される。特に冬から春にかけてが身の締まりが良く、旬とされる。
栄養
高タンパク・低脂肪な食材である。抗酸化作用のあるアスタキサンチンを含み、タウリン、亜鉛、ビタミンB12、ビタミンEなどのミネラルやビタミン類も豊富に含む。
特徴
体長20cm前後になり、ハサミ(第一胸脚)が非常に細長く発達しているのが最大の特徴。身は適度な弾力があり、濃厚な甘みと上品な旨味を持つ。和食では刺身や寿司、塩焼き、味噌汁として、フランス料理やイタリア料理では「ラングスティーヌ」や「スキャンピ」としてグリルやポワレ、パスタ、ビスキュイなどに重宝される高級食材である。
品種・由来
- 品種名:アカザエビ(地方名:テナギエビ、シャコエビなど)
- 分類:十脚目アカザエビ科アカザエビ属
- 学名:Metanephrops japonicus
由来
植物の「アカザ(赤藜)」の若葉に見られる、中心部の鮮やかな紅紫色に体色が似ていることから名付けられたとされる。
伝来
日本近海の深海に生息する固有種であり、底引き網漁の発展とともに各地の食文化に取り入れられてきた。
歴史背景
かつては産地近辺で消費されることが多かったが、輸送技術の向上とともに都市部の高級料理店で扱われるようになった。ヨーロッパ産のノルウェーロブスター(Nephrops norvegicus)の代用としてだけでなく、それ以上の甘みを持つ独立した高級食材として、国内外のシェフから高く評価されている。
備考
近縁種の「サガミアカザエビ」や「ミナミアカザエビ」と極めて酷似しており、市場では厳密に区別されず「アカザエビ」として一括りに流通することが一般的である。
