選び方・調理法
選び方
一般的にチョウザメの種類や粒の大きさによって等級が分かれ、伝統的に缶の蓋の色で識別される。ベルーガ(青:大粒で灰色)、オシェトラ(黄:中粒で茶〜金色)、セヴルーガ(赤:小粒で暗灰色)とされるが、近年はメーカー独自のラベルデザインも多いため、必ず種類と塩分濃度(マロソルなど)を確認する。粒に光沢があり、潰れや汁漏れがないもの、香りがクリーンなものを選ぶ。ランプフィッシュやボラの卵(カラスミ)などの代用品と混同しないよう注意が必要である。
下処理
金属製のスプーンはキャビアに金属臭を移し、味を損なう恐れがあるため、シェル(マザーオブパール)、骨、木製、または樹脂製のスプーンを使用するのが鉄則とされる。食べる直前に冷蔵庫から出し、氷を敷いた器に盛るなどして冷たさを維持する。洗う必要はないが、料理に添える際は余分なドリップ(水分)を軽く拭き取る場合もある。
保存方法
未開封の場合は冷蔵(0〜4℃前後)で保存する。不適切な温度管理は品質劣化を早めるため、チルド室が望ましい。開封後は空気に触れると酸化が進み風味が落ちるため、表面をラップで密着させるなどして密閉し、1〜2日以内に使い切ることが推奨される。家庭での冷凍保存は粒が潰れるため通常は避ける。
時期・特徴
国内分布
主な輸入元はフランス、イタリア、中国、アメリカなどの養殖ものが主流である。日本国内でも宮崎県、岡山県、香川県、岩手県などでチョウザメの養殖が行われており、「国産キャビア」として流通している。
時期
加工品(塩漬け)として流通するため、年間を通じて安定した品質で入手が可能である。
栄養
タンパク質と脂質を主成分とし、ビタミンB12、パントテン酸、ビタミンEなどのビタミン類や、亜鉛、銅、マグネシウムなどのミネラル分を豊富に含む。ただし、保存のために塩分(ナトリウム)が多く含まれているため、摂取量には留意が必要である。
特徴
チョウザメの卵の塩漬けであり、トリュフ、フォアグラと並び世界三大珍味のひとつに数えられる。カスピ海やアムール川などが主な生息地として知られてきた。濃厚な旨味と独特の磯の香り、そして舌の上でとろけるような食感が特徴。塩分濃度により、3〜5%程度の低塩分なものは「マロソル(Malossol)」と呼ばれ、特に高級とされる。
品種・由来
- 品種名:チョウザメ(鱘魚)の卵
- 分類:チョウザメ目チョウザメ科
- 学名:Huso huso(ベルーガ)、Acipenser gueldenstaedtii(オシェトラ)、Acipenser stellatus(セヴルーガ)等
由来
魚の卵を意味するトルコ語「havyar(ハビヤル)」や、ペルシャ語の「khag-viar(卵を持ったもの)」が語源とされる。これがイタリア語の「caviari」などを経てフランス語や英語の「caviar」になったという説が有力である。
伝来
日本には明治時代以降、西洋料理の普及とともに輸入されるようになった。当初は非常に希少な輸入品であったが、20世紀末以降の養殖技術の確立により、一般の高級レストラン等でも広く扱われるようになった。
歴史背景
16世紀頃にはロシアやイランなどカスピ海周辺で食されていた。19世紀にはヨーロッパの貴族の間で珍味として愛好されたが、20世紀後半の乱獲により野生個体が激減した。現在、国際取引はワシントン条約(CITES)によって厳格に管理されており、流通しているものの多くは管理された養殖個体由来である。
備考
「キャビア」という名称は本来チョウザメの卵のみを指すが、北欧などでは魚卵全般を指す言葉として使われる場合がある。
