選び方・調理法
選び方
目が澄んでいて、エラが鮮紅色であるものが新鮮。魚体に張りがあり、背側は濃い藍色、腹側は銀色に輝いているものを選ぶ。カツオ特有の腹の縞模様がくっきりと出ていることも目安となる。一節(柵)で購入する場合は、身の赤色が鮮やかで透明感があり、血合い部分が黒ずんでいないものを選ぶ。身が褐色に変色しているものや、切り口が虹色に光っているものは鮮度が落ちている可能性があるため避けるのが賢明である。
下処理
カツオは非常に傷みが早いため、入手後速やかに内臓を取り除く。身が柔らかく割れやすいため、水洗いの際は流水を直接当てず、溜め水で優しく洗う。皮と身の間に独特の風味と脂があるため、和食では「たたき(藁焼き・炭火焼き)」にして皮目の旨味を引き出す調理法が一般的である。また、アニサキス等の寄生虫のリスクを考慮し、生食の際は細心の注意を払って目視確認を行い、適切に処理する。
保存方法
鮮度低下が著しいため、基本的には当日中の消費が望ましい。保存する場合は、柵の状態で水分を徹底的に拭き取り、ペーパータオルとラップで包んでチルド室へ入れる。カツオ節(本枯節など)の場合は、カビの管理が重要となるため、湿気を避けて冷暗所で保存する。使いかけの節はラップで包み、冷蔵庫の野菜室などで保管するのが一般的とされる。
時期・特徴
国内分布
太平洋岸を中心に日本近海を広く回遊する。主な水揚げ港としては、焼津港(静岡)、枕崎港(鹿児島)、気仙沼港(宮城)、勝浦港(千葉)、御前崎港(静岡)などが知られており、土佐(高知)などの伝統的な一本釣り漁も有名である。
時期
季節によって「初ガツオ」と「戻りガツオ」に大別される。3月〜5月頃に黒潮に乗って北上する「初ガツオ」は、身が締まりさっぱりとした味わいが特徴。対して、9月〜10月頃に水温低下に伴い南下してくる「戻りガツオ」は、たっぷりと脂がのり、濃厚な旨味を持つとされる。
栄養
高タンパクであり、鉄分やビタミンB12、ナイアシンを豊富に含む。特に血合いの部分には、タウリンや鉄分が凝縮されている。脂質には、血液をサラサラにする効果があるとされるEPA(エイコサペンタエン酸)や、脳の活性化に寄与するとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれる。
特徴
紡錘形の体型で、生時は腹側に縞模様は見られないが、死後鮮度が落ちるに従って数本の暗色縦縞が浮き出る性質がある。赤身の魚の代表格であり、酸素を運ぶミオグロビンやヘモグロビンを多く含むため、身は濃い赤色を呈する。ヒスチジンというアミノ酸を多く含むため、鮮度管理を怠るとヒスタミン食中毒の原因となることがある。
品種・由来
- 品種名:カツオ(本カツオ)
- 分類:スズキ目サバ科カツオ属
- 学名:Katsuwonus pelamis
由来
古くは乾燥させて保存食としていたため、身が非常に硬くなることから「堅魚(かたうお)」と呼ばれ、それが転じて「カツオ」になったという説が有力である。
伝来
日本近海に古来より生息する在来種。縄文時代の貝塚からも骨が出土しており、古くから日本人の食を支えてきた重要な魚種である。
歴史背景
平安時代には献上物として扱われ、室町時代から戦国時代にかけては「勝つ魚」として武士に縁起物として好まれた。江戸時代には「女房を質に入れても初鰹」と言われるほど、江戸っ子の間で初ガツオを食すことがステータスとされ、食文化として極めて高い地位を確立した。
備考
近縁種として、胸びれの下に斑点がある「スマ(ヤイトガツオ)」や、歯が鋭い「ハガツオ」などが存在し、地域によってはこれらも非常に美味な高級魚として扱われる。
