選び方・調理法
選び方
生のものは、全体にツヤがあり、色が鮮やかな灰褐色(または赤褐色)で、吸盤の形が揃っており弾力があるものが良質。触れた際に色が素早く変化し、吸盤が強く吸い付くものは鮮度が非常に高い。茹でたものは、皮の赤色が鮮明で剥がれておらず、足の先までしっかりと巻いているもの、身に弾力があるものを選ぶ。アフリカ産などの輸入冷凍品は、解凍後のドリップが少なく、身が痩せていないかを確認する。
下処理
まず胴を裏返して内臓と墨袋を丁寧に取り除き、目と口(カラストンビ)も除去する。最大のポイントは「塩もみ」によるヌメリ取りである。多めの塩を振り、手で強く揉み出して泡状の汚れを出し切り、流水で洗い流す。茹でる際は、大鍋にたっぷりの湯を沸かし、色付けと消臭のために番茶(または緑茶)や少量の醤油を加えることもある。足先から少しずつ湯に入れ、巻かせながら全体を沈めることで形良く仕上がる。大根の輪切りと一緒に煮たり、麺棒などで叩くことで、組織が壊れて柔らかく仕上がる。
保存方法
生の場合は、下処理後に茹でてから保存するのが基本。茹でた後は水気を拭き取り、ラップでぴっちりと包んで冷蔵保存し、2日以内に使い切る。長期保存の場合は、茹でた後に使いやすい大きさに切り、フリーザーバッグに入れて空気を抜いて冷凍する。約2〜3週間は品質を維持できる。
時期・特徴
国内分布
本州以南の日本各地に分布。特に兵庫県明石沖の「明石だこ」は、餌となるカニやエビが豊富なことや潮流の速さから、日本最高峰のブランドとされる。そのほか、神奈川県久里浜や岡山県下津井なども産地として有名である。
時期
産卵期前の初夏(6月〜7月)が最も美味しいとされ、麦の収穫時期に重なることから「麦わらだこ」と呼ばれる。また、冬場に獲れる身の締まったものは「寒ダコ」として珍重される。産卵期の卵は「海藤花(かいとうげ)」と呼ばれ、その形が藤の花に似ていることから名付けられた。
栄養
高タンパク・低脂肪・低カロリーな食材である。肝機能を高め、視力の回復や疲労回復に効果があるとされるタウリンが非常に豊富に含まれている。また、抗酸化作用のあるビタミンE、味覚を正常に保つ亜鉛、赤血球の生成を助けるビタミンB12なども含んでいる。
特徴
日本のタコ水揚げの大半を占める代表種。知能が高く、周囲の環境に合わせて体色を変化させる能力を持つ。明石産のものは潮流の中で生活するため足が太く短く、筋肉質で歯ごたえが強いのが特徴。一方、砂場に生息するものは足が長く、やや柔らかい質感となる。
品種・由来
- 品種名:マダコ(真蛸)
- 分類:八腕目マダコ科マダコ属
- 学名:Octopus sinensis(※近年の研究により、東アジアのマダコは従来の O. vulgaris とは別種とされる)
由来
諸説あるが、鱗がないことから「膚魚(ハタコ)」が転じた説や、足が多いことから「多股(タコ)」となった説が有力。また、吸盤で物に吸い付く様子から「手凝(タコ・手に凝りつく)」に由来するとも言われる。
伝来
日本列島では弥生時代の遺跡からタコ壺と思われる土器が発見されており、古くから食文化に深く根付いている。
歴史背景
平安時代の『延喜式』には、乾蛸(ほしだこ)が献上品として記されている。江戸時代にはタコ壺漁が確立され、庶民の味として親しまれた。世界的には「デビルフィッシュ」として忌避する文化圏も多いが、日本、韓国、イタリア、スペイン、ギリシャなどでは古くから重要な食用資源となっている。
備考
関西の女性が好きなものを並べた「芝居・蒟蒻・芋・タコ・ナンキン」という言葉があるほど、古くから愛されてきた食材である。煮物にする際は、小豆と一緒に煮るとアントシアニンの効果で鮮やかな赤色に仕上がる。
