選び方・調理法
選び方
殻にツヤがあり、持ったときに重みを感じるものを選ぶ。殻がしっかり閉じている、または触れると閉じようとするものが目安。殻が割れているもの、強い異臭のあるものは避ける。
二枚貝は貝毒(麻痺性・下痢性など)により出荷規制がかかることがあるため、必ず流通経路と産地表示が明確なものを選び、自己採取したものは安易に食用にしない。貝毒は加熱しても無毒化されない。
下処理
殻表面の汚れや付着物(フジツボなど)をたわしでこすり落とし、ひげ(足糸)を殻の付け根からつかんで、蝶番(ちょうつがい)側へ引くように抜く。砂や泥が残りやすいので、洗い流した後は水気を切る。
調理直前まで長時間水に浸けない(弱って口が開きやすくなるため)。必要があれば、洗った後に冷蔵庫で休ませて砂を吐かせるなど、短時間で行う。
保存方法
殻付きの生は、乾燥を避けて湿らせた布やキッチンペーパーをかけ、通気のある容器で冷蔵し、なるべく早く使い切る(目安は当日〜翌日)。密封や真水への浸漬は避ける。
むき身は水気を拭き、冷蔵で早めに使用。冷凍する場合は小分けにして密封し、なるべく早めに使い切る。ボイル済みの冷凍品は表示に従って保存する。
時期・特徴
国内分布
イガイ(在来種)は北海道南部から九州にかけて分布する。
ムラサキイガイ(ムール貝として流通することが多い外来種)は、1930年代以降に国内で確認され、現在はほぼ全国の沿岸に広く分布する。
流通は輸入(冷凍・チルド)も多く、国内産は地域や時期により出回り方に差がある。
時期
旬は海域差があるが、一般に秋〜春にかけて身入りがよいとされる。輸入品や養殖・冷凍品の普及により通年流通している。
栄養
主成分はたんぱく質で、ビタミンB12が多い。鉄、亜鉛などのミネラルも含む。
うま味に関わる遊離アミノ酸(グルタミン酸など)を含み、加熱するとだしが出やすい。
特徴
「ムール貝」は料理・流通上の呼び名としてイガイ類を広く指すことがあり、日本の市場ではムラサキイガイ(Mytilus galloprovincialis)や近縁種が「ムール貝」として扱われることが多い。
イガイ(Mytilus coruscus)は殻長12〜15cmほどに達する大型種で、殻は黒〜黒褐色で厚みがある。
ムラサキイガイは殻長最大10cmほどで、黒紫色〜黒褐色の殻をもつ。可食部の色は環境や個体差により、濃いオレンジ色から淡いベージュまで幅がある。
酒蒸し、ワイン蒸し、パエリア、スープ、鍋、炊き込みご飯などに向き、蒸し汁もだしとして活用できる。
品種・由来
- 品種名:イガイ、ムラサキイガイ(ムール貝)
- 分類:イガイ科イガイ属
- 学名:Mytilus coruscus(イガイ)、Mytilus galloprovincialis(ムラサキイガイ)
由来
「イガイ」は漢字で「貽貝」と書く。呼び名の由来には諸説ある。
ムール貝はフランス語の moule(複数形 moules)に由来する。
伝来
ムラサキイガイは外来種で、日本では1932年に神戸港の記録が最も古いとされる。その後、全国の沿岸へ分布を拡大した。
歴史背景
イガイは在来種として各地で食用にされてきた。近年は流通量の点でムラサキイガイや輸入ムール貝が主体となり、洋食材としての利用が定着している。
備考
貝毒は二枚貝が有毒プランクトンを摂取して蓄積することで起こり、加熱では除去できない。流通品は監視・検査体制の下で出荷されるため、産地表示や流通経路が明確なものを用いる。
