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ニシン Pacific herring

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選び方・調理法

選び方

生の個体は、目が黒く澄んでおり、体表の鱗が剥がれずにびっしりと残って銀色に輝いているものが新鮮である。エラが鮮紅色で、腹部を押した際にしっかりとした弾力があるものを選ぶ。切り身の場合は、身が割れておらず、表面に艶があり、パック内に余分な水分(ドリップ)が出ていないものが良品である。

下処理

生ニシン:鱗を取り、エラと内臓を除去して血合いを綺麗に洗い流す。小骨が非常に多いため、三枚におろした後は細かく「隠し包丁」を入れると食べやすくなる。また、アニサキス寄生のリスクがあるため、生食する場合はマイナス20℃で24時間以上の冷凍処理を行うか、細心の注意を払う。

身欠きニシン(本干し):乾燥が強いため、米のとぎ汁に2〜3日間浸けて戻す。これにより酸化した脂の臭みが抜け、身が柔らかくなる。戻した後は、残っている鱗やヒレを掃除してから調理する。

ソフトニシン:半乾きの状態で市販されているものは、そのまま、あるいは軽く表面を洗うだけで焼物や煮物に使用できる。

保存方法

下処理後、水気を完全に拭き取り、ラップでぴっちりと包んで冷蔵保存する。鮮度低下が非常に早いため、生鮮品は翌日までに使い切るのが望ましい。調理済みの煮付けなどは、煮汁とともに保存容器に入れれば2日程度は冷蔵可能である。

時期・特徴

国内分布

北太平洋に広く分布し、日本では北海道から東北地方の沿岸が主な漁場である。かつては激減していたが、近年の資源管理と放流事業により、北海道の石狩湾周辺などで「群来(くき:産卵による白濁)」が見られるほど資源が回復傾向にある。ただし、市場流通の多くは依然としてロシアやアメリカ(アラスカ)からの輸入品である。

時期

「春告魚(はるつげうお)」の名の通り、産卵のために沿岸に近づく3月〜5月頃が最大の旬である。この時期の個体は卵(数の子)や白子が発達している。一方で、秋から冬にかけて獲れる「秋ニシン」などは身に脂が非常にのっており、料理によって使い分けられる。

栄養

タンパク質が豊富で、脂質にはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含む。ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB12、およびカルシウムの含有量も高い。他の青魚と比較して脂質の酸化が比較的緩やかという特徴があるが、乾燥品(身欠きニシン)にする際は酸化しやすいため、抗酸化作用のある米のとぎ汁での戻し作業が理にかなっている。

特徴

体長は30〜35cm程度。体形はマイワシに似るが、体側に黒い斑点がないことで容易に区別できる。身は非常に柔らかく、独自の風味と強い旨味がある。最大の特徴は、腹腔内にある卵巣が「数の子」として珍重されることである。

品種・由来

  • 品種名
  • 品種名:ニシン(太平洋ニシン)
  • 分類:ニシン目ニシン科ニシン属
  • 学名:Clupea pallasii Valenciennes, 1847

由来

諸説あるが、アイヌ語の「ニシパ(主・貴人)」に由来する説や、身を二つに割いて干したことから「二身(にしん)」、あるいは親が健在な家庭で盆に供されたことから「二親(にしん)」となったとする説が有力である。

伝来

日本近海の在来種。北海道では縄文時代から食用にされていたことが遺跡の出土品から確認されている。

歴史背景

江戸時代から明治・大正にかけて、北海道のニシン漁は「ニシン黄金時代」と呼ばれる空前の繁栄を極め、各地に「ニシン御殿」が建てられた。食用のほか、菜種などの農作物の肥料(鰊粕)としても日本全国の農業を支えた歴史がある。昭和30年代に一度激減したが、近年は再び国内資源の復活が注目されている。

備考

代表的な料理には、塩焼き、煮付け、なめろう、押し寿司のほか、京都名物の「にしんそば」がある。加工品としては、数の子、身欠きニシン、糠ニシン(くんねふ)、くん製などが多岐にわたる。

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