選び方・調理法
選び方
一尾で購入する場合は、目が澄んでいて黒目がはっきりしているもの、エラが鮮紅色で、鱗が剥がれず銀色に輝いているものを選ぶ。切り身の場合は、身にハリがあり、皮と身の境目がはっきりしているものが新鮮である。また、種類により身の色調が異なるため用途に合わせて選択する。一般的に、シロザケは淡いピンク、ベニザケは濃い紅色、キングサーモン(マスノスケ)は鮮やかなオレンジ色に近い紅色を呈する。
下処理
鮮魚は表面のぬめりに雑菌や臭みが含まれるため、塩を振って軽く揉み、流水で洗い流した後に水分を完全に拭き取る。野生のサケ(特にシロザケやベニザケ)を刺身などで生食する場合は、アニサキス等の寄生虫のリスクがあるため、-20℃以下で24時間以上の冷凍(ルイベの状態)を徹底する必要がある。塩鮭の塩抜きは、真水ではなく1.0~1.5%程度の淡い塩水(迎え塩)に浸すと、身を水っぽくせずに均一に抜くことができる。
保存方法
水気を拭き取り、空気に触れないようラップで密閉して冷蔵保存する。長期保存の場合は、切り身にして一つずつラップし、ジッパー付きの袋に入れて冷凍する。塩鮭や燻製(スモークサーモン)も乾燥を避けることが保存の要となる。
時期・特徴
国内分布
北海道を中心に、岩手県、宮城県、新潟県、富山県などの沿岸および河川。日本で捕獲される野生個体の多くはシロザケである。また、宮城県などではギンザケの養殖も盛んに行われている。
時期
産卵のために秋に沿岸へ戻ってくるものを「秋鮭(あきざけ)」や「アキアジ」と呼び、9月〜11月が盛漁期となる。一方、春から夏にかけて北上する途中で獲れるシロザケは「トキシラズ(時不知)」と呼ばれ、産卵前で身に非常に脂が乗っているため珍重される。
栄養
良質なタンパク質のほか、抗酸化作用の強いアスタキサンチンを豊富に含み、これが身の赤色の正体である。また、EPA・DHAといったオメガ3系脂肪酸、ビタミンD、ビタミンB群、ナイアシンを多く含む。
特徴
サケ類は川で生まれ海で育ち、再び産卵のために戻ってくる「母川回帰」の習性を持つ。一般的に「サケ」と呼ぶ場合はシロザケを指すが、市場にはベニザケ、ギンザケ、マスノスケ(キングサーモン)、アトランティックサーモン(養殖)など多くの種類が流通する。河川に入った個体は「ブナ(ブナザケ)」と呼ばれ、婚姻色が出て脂質が減少するため、主に加工品に用いられる。成熟卵は「イクラ」、卵巣に入ったままの状態は「筋子(すじこ)」として珍重される。
品種・由来
- 品種名:シロザケ(白鮭)、ベニザケ(紅鮭)、ギンザケ(銀鮭)、マスノスケ(キングサーモン)
- 分類:サケ目サケ科サケ属
- 学名:Oncorhynchus keta(シロザケ)、O. nerka(ベニザケ)、O. kisutch(ギンザケ)、O. tshawytscha(マスノスケ)
由来
和名の「サケ」は、身が裂けやすいことから「裂け(さけ)」に由来するという説が有力。また、アイヌ語の「サクイベ(夏の食べ物)」や「シャケンベ」が転じたとする説、秋に現れることから「秋(あき)」に関連する語など諸説ある。
伝来
日本列島では縄文時代から貴重な食料として利用されており、各地の遺跡から骨が発見されている。平安時代には租税の一種として納められ、乾燥品や塩蔵品として都へ運ばれた。
歴史背景
古来、越後(現在の新潟県)などの地域では、サケの回帰性を維持するために河川の保護や産卵床の整備が行われてきた。明治時代以降は、人工受精と孵化放流の技術が確立され、安定した資源供給が可能となった。武家社会では「身を裂く」という語感が忌まれつつも、その栄養価の高さから重宝され、江戸時代には「新巻鮭」が贈答品の定番となった。
備考
原産地:北太平洋地域(日本、ロシア、北米沿岸など)
外国語名:Salmon(英)、Saumon(仏)、Lachs(独)
