選び方・調理法
選び方
むき身(青柳)の場合: 足(ベロ)のオレンジ色が鮮やかで、身にハリと弾力があるものを選ぶ。表面にツヤがあり、肉厚なものが良質。
貝柱(小柱)の場合: 身が白く透き通り、ダレていないもの。
殻付きの場合: 殻に割れがなく、しっかりと閉じているもの。触れた際に素早く殻を閉じるものが新鮮。
下処理
バカガイは非常に砂を噛みやすい特性があり、一般的な砂出し(塩水に浸ける)では完全に砂が抜けないことが多い。
調理の際は生のまま「むき身」にし、水の中で振り洗いをして砂を落とす手法が一般的。
足の先端にある「砂袋」を切り開いて洗浄するか、取り除くことで、特有のジャリつきを防ぐことができる。
保存方法
むき身は乾燥に弱いため、薄い塩水に浸すか、ラップで密閉して冷蔵保存し、早めに使い切る。
長期保存する場合は、さっと茹でてから小分けにして冷凍保存が可能。
時期・特徴
国内分布
北海道から九州まで広く分布。特に東京湾(千葉県)、伊勢湾(愛知県・三重県)、瀬戸内海、周防灘などが主要な産地。
時期
旬:2月〜4月頃(晩冬から春)
初夏から秋にかけての産卵期を控えた時期に、身が太り旨味が増すとされる。
栄養
高タンパク・低脂質で、旨味成分であるタウリンやグリシンを豊富に含む。
ビタミンB12、鉄分、亜鉛、カルシウム、カリウムなどのミネラル分をバランスよく含み、滋養強壮や貧血予防に効果が期待される。
特徴
ハマグリに似た黄褐色の薄い殻を持つ二枚貝。殻が非常に割れやすく、取り扱いには注意を要する。
市場では身を「青柳(あおやぎ)」、貝柱を「小柱(こばしら)」と呼び、それぞれ別の食材として扱われることも多い。
独特の磯の香りと、加熱しても硬くなりにくい上品な甘みが特徴。
品種・由来
- 品種名:バカガイ(馬鹿貝)
- 分類:二枚貝綱異歯亜綱バカガイ上科バカガイ科バカガイ属
- 学名:Mactra chinensis
由来
諸説あるが、常にオレンジ色の足を殻から出している姿が、バカが舌を出しているように見えることから名付けられたという説が有名。
また、一度に大量に漁獲されるが殻が薄く壊れやすいため「儚い(はかない)貝」から転じたとする説や、潮の流れで生息地を頻繁に変える「場替え(ばがえ)」が転訛したという説もある。
伝来
日本近海に古くから自生する在来種であり、縄文時代の貝塚からも出土している。
歴史背景
江戸前寿司の代表的なネタ(種)として欠かせない存在。かつては東京湾の深川付近で大量に獲れ、庶民の味として親しまれた。
「青柳」の呼称は、かつての集散地であった上総国青柳村(現在の千葉県市原市)の名に由来する。
備考
加工品としての呼称:
姫貝(ひめがい): 足の部分を串に刺して天日干しにしたもの。
桜貝(さくらがい): 茹でて干したもの(※観賞用のサクラガイとは別種)。
