選び方・調理法
選び方
生鮮品が一般に流通することは稀だが、加工品を選ぶ際は以下の点に留意する。冷凍ブロックの場合は、身が白濁しておらず、ドリップ(解凍液)が出ていないものを選ぶ。乾燥品(干しアミ)は、色が鮮やかで身が崩れておらず、乾燥が十分なものが良品とされる。色が黒ずんでいるものは鮮度劣化や酸化の可能性があるため避けるのが望ましい。
下処理
オキアミ類は強力な消化酵素(プロテアーゼ)を保持しており、死後は自己消化によって急速に身が溶け、黒変する特性がある。そのため、食用とする場合は漁獲直後に船上で加熱(ボイル)または急速凍結を施すのが一般的である。調理時には、加熱しすぎると身が縮みやすいため、風味を活かす程度の短時間調理が推奨される。
保存方法
鮮度劣化が極めて早いため、冷凍品は解凍後速やかに使い切る。一度解凍したものの再凍結は著しく品質を損なう。乾燥品は、酸素や湿気による酸化・変色を防ぐため、脱酸素剤とともに密閉容器に入れ、冷暗所または冷蔵庫で保管する。
時期・特徴
国内分布
食用として流通する主な種は、南極海に生息する「ナンキョクオキアミ」と、北太平洋(日本では福島県から岩手県にかけての三陸沖が主)に生息する「ツノナシオキアミ」の2種である。
時期
冷凍品や乾燥加工品は通年流通している。日本国内のツノナシオキアミ漁は、例年春先(2月〜5月頃)に最盛期を迎えるため、この時期には新物が出回る。
栄養
高タンパクであり、カルシウム、銅、亜鉛、ビタミンB12を豊富に含むとされる。赤い色素成分であるアスタキサンチンは強力な抗酸化作用を持つことで知られる。また、n-3系脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含有し、健康機能性食品の原料としても注目されている。
特徴
外観はエビに酷似するが、分類学上は軟甲綱オキアミ目に属するプランクトンの仲間である。ナンキョクオキアミは体長5~6cmに達し、海洋生態系の食物連鎖において極めて重要な役割を担う。一方、日本近海で獲れるツノナシオキアミは体長1.5~3cm程度と小ぶりである。漁獲後の鮮度保持が難しいため、多くは着色料を用いない干しアミ、塩辛、佃煮、寄せ揚げなどの加工品として利用される。
品種・由来
- 品種名:ナンキョクオキアミ
- 分類:オキアミ目オキアミ科オキアミ属
- 学名:Euphausia superba
- 品種名:ツノナシオキアミ(イサダ、メロ)
- 分類:オキアミ目オキアミ科オキアミ属
- 学名:Euphausia pacifica
由来
「沖合で獲れるアミ類」を意味する呼称に由来するとされる。ツノナシオキアミの名は、近縁種にある頭胸甲の「額角(がっかく)」という角状の突起が目立たないことに由来する。
伝来
(記載なし)
歴史背景
日本では古くから三陸沿岸を中心に、ツノナシオキアミを「イサダ」などと呼び、貴重な水産資源として利用してきた。一方、ナンキョクオキアミの本格的な商業漁獲は1970年代に始まり、当初は食糧資源としての活用が期待されたが、現在は主に養殖魚の飼料、釣り餌、サプリメント原料(クリルオイル)としての利用が主流となっている。
備考
アレルギー表示において、特定原材料の「エビ」とは分類が異なるが、エビに似たタンパク質を含むため、甲殻類アレルギーを持つ場合は注意が必要とされる。
