選び方・調理法
選び方
目が澄んでいて瑞々しく、ふっくらと盛り上がっているものが新鮮。体色は生息域(水深)によって異なるため色の濃淡は鮮度の指標にならないが、全体に艶があり、触った際に身にしっかりとした弾力があるものを選ぶ。エラが鮮紅色であることも重要な指標となる。また、体表の粘液が透明で、腹周りがふっくらと肥えている個体が良質とされる。
下処理
背びれ、腹びれ、臀びれの棘(とげ)が非常に鋭く、刺さると細菌感染等により強く腫れて痛むため、調理前にキッチンバサミ等で棘の先端を切り落としておくと安全である。鱗は細かく硬いため、尾から頭にかけて丁寧に取り除く。頭部が大きく、骨や皮から非常に質の良い出汁が出るため、煮付けや汁物にする際は頭も活用するのが一般的である。
保存方法
白身魚の中では比較的鮮度落ちが早いため、入手した当日中に下処理を終えるのが望ましい。内臓、エラ、血合いを完全に取り除き、水分を徹底的に拭き取ってからペーパータオルとラップで包み、チルド室で保存する。長期保存の場合は、三枚におろして水気を完全に拭き取り、空気に触れないよう脱気して冷凍する。
時期・特徴
国内分布
北海道南部以南の日本各地、朝鮮半島南部、中国、台湾までの沿岸域に広く分布する。主に水深50m以浅の岩礁域に生息する根魚(ロックフィッシュ)の代表格である。
時期
通年流通しているが、身が充実して美味とされる旬は冬から初春にかけてとされる。産卵期(産仔期)にあたる冬場は、地域によって「磯の寒笠子」として珍重され、脂の乗りが非常に良くなる。
栄養
高タンパク・低脂肪な白身魚であり、消化吸収に優れるため、療養食や離乳食にも適している。骨格形成を助けるカルシウムやリン、亜鉛などのミネラル類をバランスよく含む。また、皮の部分にはコラーゲンが多く含まれ、カルシウムの吸収を促進するビタミンDも比較的豊富である。
特徴
大きな頭部と口、鋭い棘を持つ武骨な外見が特徴。身は透明感のある白身で、熱を通しても硬く締まりすぎず、上品な甘みと強い旨味がある。体色は生息域の深さによって変化し、浅い場所の個体は黒褐色、深い場所の個体は鮮やかな赤色を呈する。近似種の「ウッカリカサゴ」は、体側の白斑に暗色の縁取りがある点で見分けられる。
品種・由来
- 品種名:カサゴ(別名:ガシラ、アラカブ、ボッコ、メバル等)
- 分類:スズキ目メバル科(またはフサカサゴ科)カサゴ属
- 学名:Sebastiscus marmoratus
由来
頭部が大きく、笠を被っているように見えることから「笠子」となった説や、皮膚がただれたように見える「瘡(かさ)」に似ていることから「瘡子」と呼ばれた説などがある。
伝来
日本近海の在来種であり、古くから沿岸漁業や釣りなどで親しまれてきた。磯魚として日本各地の食文化に深く根付いている。
歴史背景
江戸時代には、その勇ましい姿と赤みがかった色合いから、特に関東では「端午の節句」の祝魚として用いられることもあった。関西では「ガシラ」、九州では「アラカブ」など、地域ごとに定着した呼び名が多く、各地の郷土料理(煮付けや味噌汁など)において欠かせない食材となっている。
備考
卵ではなく稚魚を産む「卵胎生」という繁殖形態を持つ。一度に数千から数万尾の稚魚を産み出す。
