選び方・調理法
選び方
パッケージ上部の「種類別名称」を確認する。「牛乳」と表記できるのは生乳100%のものに限られる。料理のコクを出したい場合は「牛乳」や「加工乳(濃厚タイプ)」、さっぱり仕上げたい場合は「低脂肪牛乳」など、用途に合わせて選ぶ。また、パック上部の「切欠き(くぼみ)」は生乳100%の「牛乳」にのみ付いており、触って区別するための目安となる。
下処理
加熱調理に使用する場合、急激に沸騰させると分離したり、吹きこぼれたりしやすいため注意する。また、表面に膜(ラムスデン現象)が張るのを防ぐには、かき混ぜながら加熱するか、60℃前後で火を止めるなどの工夫が必要とされる。
保存方法
冷蔵(10℃以下)で保存する。開封後は賞味期限にかかわらず、2〜3日を目安に飲みきることが推奨される。匂いを吸着しやすいため、強い匂いの食材の近くは避ける。ロングライフミルク(LL牛乳)の場合は、未開封であれば常温で長期間(2〜3ヶ月程度)保存が可能。
時期・特徴
国内分布
北海道(国内生産量の50%以上)ほか、北関東や九州など全国各地。
時期
通年。
一般的に、夏場は牛が水を多く飲むため脂肪分がやや低くなりさっぱりした味わいに、冬場は脂肪分が高くなり濃厚な味わいになる傾向がある。
栄養
「準完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養バランスに優れる。特にカルシウムが豊富で、かつ吸収率が高いのが特徴。これは牛乳に含まれる乳糖や、タンパク質が分解されてできる「カゼインホスホペプチド(CPP)」がカルシウムの吸収を助けるためとされる。その他、良質なタンパク質、ビタミンA、ビタミンB2などを含む。
特徴
牛の乳汁。日本では乳牛の99%以上をホルスタイン種が占めるが、ジャージー種やブラウンスイス種などの濃厚な乳質の牛乳も一部流通している。
「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により、以下のように分類される。
牛乳:生乳100%、成分無調整。乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上。
成分調整牛乳:生乳100%から、水分や乳脂肪分などの成分の一部を除去したもの。
低脂肪牛乳:成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたもの。
無脂肪牛乳:成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの。
加工乳:生乳に乳製品(脱脂粉乳、クリーム、バターなど)を加えたもの。脂肪分を高めた「特濃」タイプや、脂肪分を抑えたものがある。
乳飲料:乳固形分3.0%以上を含み、コーヒーや果汁、ビタミン、カルシウムなどを加えたもの。
品種・由来
- 品種名:
ホルスタイン種(日本国内の主流)
ジャージー種 など
- 分類:
乳牛
- 学名:
Bos taurus
由来
牛の乳(ちち)であることから。英語のMilkは、古英語の「meoluc」などに由来するとされる。
伝来
日本へは、欽明天皇の時代(560年頃あるいは645年頃など諸説あり)に百済からの渡来人が、薬書とともに搾乳や乳製品(蘇など)の製法を伝えたとされる。
歴史背景
世界的には古代エジプトやメソポタミア文明の時代から飲用や加工が行われていたとされる。日本では飛鳥・奈良時代に「蘇(そ)」や「醍醐(だいご)」といった乳製品が貴族の間で薬用・強壮用として珍重されたが、武家社会の台頭や仏教の影響などで肉食と共に廃れ、長らく飲用の習慣は途絶えた。
明治時代に入り、政府による酪農の奨励や西洋文化の流入により再び生産が本格化。第二次世界大戦後、学校給食への導入や冷蔵流通網の発達により、国民的な栄養源として定着した。
備考
原材料名:生乳100%(種類別「牛乳」の場合)。
一般的な製造工程は、受入検査、清浄化(濾過)、均質化(ホモジナイズ:脂肪球を細かく砕き分離を防ぐ)、加熱殺菌、冷却、充填となる。
殺菌方法は「超高温瞬間殺菌(UHT)」が主流だが、風味への影響が少ない「低温長時間殺菌(LTLT)」や「高温短時間殺菌(HTST)」の製品(パスチャライズド牛乳)もある。
