選び方・調理法
選び方
殻にひび割れがなく、清潔で乾燥しているものを選ぶ。表面が濡れているものは雑菌が繁殖しやすいため避ける。市販品は洗浄・検卵工程を経て流通しているが、割った際に卵黄にこんもりとした高さがあり、その周囲の濃厚卵白がしっかりと盛り上がっているものが新鮮である。
下処理
日本の市販品は洗浄済みのため、調理直前の洗浄は不要。加熱調理の際、冷蔵庫から出した直後の卵を急激に加熱すると殻が割れやすいため、用途に応じて常温に戻してから使用する。また、卵白のコシを切りたい場合は、菜箸を切るように動かすか、漉し器を通すと均一な仕上がりになる。
保存方法
10℃以下の冷蔵保存が基本である。卵の丸い方(鈍端部)には気室があり、こちらを上に、尖った方(鋭端部)を下にしてパックのまま保存すると、卵黄が安定し鮮度が保たれやすい。ドアポケットは開閉による振動と温度変化が激しいため、冷蔵庫の奥側の棚に置くのが理想的とされる。
時期・特徴
国内分布
茨城県、鹿児島県、岡山県、千葉県などが主な産地。関東、東海、九州地方を中心に全国で広く生産されており、地産地消も盛んである。
時期
通年。かつては春が産卵の最盛期であったが、現在は光照管理や温度調節などの飼養技術が確立されており、年間を通じて安定した供給がなされている。
栄養
ビタミンCと食物繊維を除くほぼ全ての栄養素を含む「完全栄養食品」に近い食材。良質なタンパク質の指標であるアミノ酸スコアは100。卵黄には乳化作用を持つレシチンや、記憶力に関わるコリン、脂溶性ビタミン(A、D、E)が豊富に含まれる。
特徴
卵白は約60℃から凝固し始め、80℃前後で完全に固まる。卵黄は約65℃から凝固し始め、70〜75℃でほぼ固まる。この凝固温度の差を利用したものが「温泉卵」である。卵白には起泡性、卵黄には乳化性があり、和・洋・中、製菓まであらゆる料理の土台となる特性を持つ。
品種・由来
- 品種名:白色レグホン、ロードアイランドレッド、アローカナ等
- 分類:卵類(家禽卵)
- 学名:Gallus gallus domesticus
由来
形状が球形(玉)に近いことから「玉の子」と呼ばれ、それが転じて「タマゴ」になったとされる。室町時代の文献にはすでにこの呼称が登場している。
伝来
ニワトリの祖先は東南アジアに分布する「セキショクヤケイ」とされる。日本には弥生時代以前に大陸経由で渡来したと推測されている。
歴史背景
日本では古代から「鳴鳥」として神聖視され、また仏教の影響もあり、卵を食べることは長く禁忌とされていた。食用が一般化したのは安土桃山時代、ポルトガルなどの南蛮文化とともにカステラや卵料理が伝わってからである。江戸時代には「卵ふわふわ」などの料理が登場し、贅沢品から次第に庶民の味へと広がった。
備考
卵殻の色(白、赤、ピンク等)は親鶏の品種によるもので、栄養価や味に直接的な関係はない。現在は液卵や粉末卵などの加工原料としての流通も非常に多く、食品工業を支える重要な食材となっている。
