選び方・調理法
選び方
ナガイモ(長形種):皮が薄く張りがあり、太さが均一でまっすぐなもの。
イチョウイモ(扁形種):扇形に広がった形が良く、表面の凹凸が少ないもの。
ヤマトイモ・ツクネイモ(塊形種):ずっしりと重く、丸く整っているもの。
共通:皮の色が均一で、傷や変色がないもの。ひげ根の毛穴が深くなく、少ないものが良品。持った時に重みを感じるものを選ぶ。カットされている場合は、断面が白くみずみずしいものを選び、変色しているものは避ける。
下処理
たわしで泥を洗い落とし、ピーラーや包丁で皮をむく。皮の近くにアクや酵素があるため、変色を防ぐためにむいた直後に酢水にさらすと白く仕上がる。
※皮をむく際、かゆみを感じることがあるが、これはシュウ酸カルシウムの針状結晶による刺激である。酢水で手を洗うか、酢を手につけてから調理すると緩和される。手袋の着用も有効。
保存方法
丸ごとの場合は新聞紙に包み、風通しの良い冷暗所(適温は5〜10℃前後)で保存する。夏場は冷蔵庫の野菜室に入れるが、寒すぎると低温障害を起こすため新聞紙で厚めに包む。カットしたものは切り口が乾燥・酸化しないようラップで密着させて包み、冷蔵庫で保存し早めに使い切る。
時期・特徴
国内分布
ナガイモ:北海道、青森県(主要産地)、長野県など。
イチョウイモ:千葉県、埼玉県、群馬県など関東地方が中心。
ヤマトイモ(ツクネイモ):三重県、奈良県、兵庫県、京都府など近畿地方が中心。
ジネンジョ:全国の山野に自生するほか、山口県などで栽培も行われている。
時期
通年流通しているが、旬は秋から春。
秋掘り(11月〜12月):皮が薄く、新物として香りが良い。
春掘り(3月〜4月):冬を越して旨味と粘りが凝縮されている。
栄養
消化酵素のアミラーゼ(ジアスターゼ)を豊富に含み、デンプンの消化を助けるため、生で食べても胃もたれしにくい。特有の粘りは糖タンパク質や食物繊維(マンナン)などによるもので、胃の粘膜保護や整腸作用が期待される。カリウムなどのミネラルも含む。ナガイモに比べ、ヤマトイモやジネンジョの方が水分が少なく栄養価が高い傾向にある。
特徴
ヤマノイモ科の芋の総称。品種群によって形状や粘りの強さが大きく異なる。
ナガイモ:水分が多く、粘りは控えめ。千切りにするとシャキシャキとした食感が楽しめる。
イチョウイモ:手のひら(銀杏の葉)のような平たい形。粘りが強く、とろろや揚げ物に向く。関東で「大和芋」と呼ばれることが多い。
ヤマトイモ(ツクネイモ):拳のような塊状。肉質が緻密で粘りが非常に強く、濃厚な味わい。高級食材として料亭や和菓子(薯蕷饅頭)に使われる。
ジネンジョ(自然薯):日本原産の野生種(栽培もある)。非常に強い粘りと土の香りを持つ。
品種・由来
- 品種名:
ナガイモ群(長形):ナガイモ、ネバリスターなど
イチョウイモ群(扁形):イチョウイモ、仏掌芋など
ツクネイモ群(塊形):ヤマトイモ、丹波山の芋、伊勢芋、加賀丸いもなど
自然薯(ジネンジョ):野生種および栽培種
- 分類:
ヤマノイモ科ヤマノイモ属
- 学名:
ナガイモ・イチョウイモ・ツクネイモ:Dioscorea polystachya
ジネンジョ:Dioscorea japonica
由来
山野に自生する芋であることから「ヤマノイモ(山の芋)」と呼ばれる。対して、里で栽培されるサトイモ(里芋)と区別された。
伝来
ナガイモなどの栽培種は、中国原産で古くから日本に伝来したとされる。ジネンジョは日本原産で、縄文時代の遺跡からも痕跡が見つかるほど古くから利用されてきた。
歴史背景
『日本書紀』や『万葉集』にも記述があり、古くから滋養強壮に良い食品として重宝された。平安時代には、甘葛(あまずら)の煮汁で煮た芋粥が貴族の間で最高級の料理とされ、芥川龍之介の小説『芋粥』の題材にもなっている。
備考
「大和芋(ヤマトイモ)」という呼称は地域によって指すものが異なる。関東市場では「イチョウイモ」を大和芋と呼び、関西市場では「ツクネイモ」を大和芋(または本大和)と呼ぶ傾向があるため、仕入れの際は形状を確認する必要がある。
