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マハゼ(ハゼ) Yellowfin goby

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選び方・調理法

選び方

体表に透明感のあるヌメリがあり、光沢が鮮やかなものを選ぶ。目が黒く澄んでいて、腹部にハリがあるものが新鮮である。全体に肉付きが良く、丸々と太っているものが良品とされる。天ぷら用であれば10〜15cm程度のものが使いやすく、大型のものは焼き物や煮付けに適する。鮮度が落ちると色がくすみ、ヌメリが白濁して臭いが出るため注意が必要。

下処理

鱗は細かく取れにくいため、包丁の先や鱗取りで丁寧に取り除く。特に鰭(ひれ)の付け根や腹部に残りやすい。天ぷらや唐揚げにする場合は、頭を落として内臓を除き、背開きにする「松葉おろし」にするのが一般的である。小型のものは「つぼ抜き」で内臓を除き、丸ごと調理することもある。独特の泥臭さが気になる場合は、塩揉みをしてヌメリを洗い流すと仕上がりが良くなる。

保存方法

水分を嫌うため、下処理後は水気を完全に拭き取ることが重要。ペーパータオルで包み、ラップをして冷蔵(チルド室)で保存する。鮮度低下が早いため、当日中に調理するのが望ましい。長期保存する場合は、素干しや「焼き干し」に加工するか、急速冷凍を行う。

時期・特徴

国内分布

北海道から種子島までの日本各地の沿岸、河口の汽水域に広く分布する。主な産地として、宮城県(仙台湾)、千葉県(東京湾)、愛知県(三河湾)、岡山県などが有名である。

時期

夏から冬にかけてがシーズンである。5〜7月頃の稚魚は「デキハゼ」と呼ばれ、天ぷらや佃煮に重宝される。秋から晩秋にかけては成長し、数も釣れるため最も親しまれる。11月以降の大型のものは「落ちハゼ」と呼ばれ、脂が乗り、焼き干しや煮付けに適した時期となる。

栄養

高タンパクでありながら脂質が非常に少なく、消化の良い淡泊な白身魚である。カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、抗酸化作用のあるビタミンEを比較的多く含む。また、細胞の再生を助けるビタミンB12や、カリウム、リンなどのミネラルもバランスよく含まれている。

特徴

ハゼ科マハゼ属。一般に「ハゼ」と呼ぶ場合は本種を指す。東京湾などの汽水域に多く、江戸前天ぷらには欠かせない初秋の代表的な食材である。身は非常に細かく上品な繊維質で、加熱するとふっくらと柔らかく仕上がる。

食文化としては、鮮魚だけでなく「焼き干し」としての需要も高い。特に宮城県では、焼き干しにしたハゼで出汁を取るハゼ出汁の雑煮が正月の伝統料理として受け継がれている。近年は生息環境の変化により天然物の漁獲量が減少しており、希少価値が高まりつつある。

品種・由来

  • 品種名:マハゼ(真沙魚)
  • 分類:スズキ目ハゼ亜目ハゼ科マハゼ属
  • 学名:Acanthogobius flavimanus

由来

砂地を素早く「馳せる(はしる)」様子から「ハゼ」となった説や、飛び跳ねる様子を指す「はぜる」に由来する説などがある。漢字では「沙魚」や「蝦虎魚」と表記される。

伝来

日本近海から朝鮮半島、中国大陸沿岸に分布する在来種。古くから沿岸漁業や身近な釣り対象魚として、日本の食生活に密着してきた。

歴史背景

江戸時代、隅田川や中川などの河口域で大量に獲れたことから、安価で美味しい江戸前の魚として庶民に親しまれた。天ぷらの屋台文化とともに発展し、「ハゼの天ぷら」は江戸の秋の風物詩として定着した。また、保存性の高い焼き干しや佃煮は、冬場の貴重なタンパク源や贈答品としても重宝されてきた歴史がある。

備考

近縁種の「ウロハゼ」はマハゼに似るが、下顎が突き出しており、身がやや硬いため市場価値はマハゼより低い。料理としては天ぷらが王道だが、鮮度の良いものは刺身(洗いや昆布締め)、唐揚げ、煮付け、甘露煮、南蛮漬けなどにも適している。

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