選び方・調理法
選び方
体色が鮮やかな紅色で、表面のヌメリが透明で濁っていないものを選ぶ。目は黒く澄んで張りがあり、腹側が真っ白で、胴が筒状に太く引き締まっているものが良質とされる。エラが鮮紅色であることも鮮度の目安となる。
下処理
鱗が細かいため、包丁の先や鱗取りで丁寧に取り除く。頭部が非常に硬く、鋭い棘があるため、調理の際は怪我に注意が必要。身は白身で弾力がある。頭や骨からは非常に質の良い出汁が出るため、アラは捨てずに湯引きして血を洗い流し、汁物や鍋、ブイヤベースのベースとして活用される。
保存方法
内臓を取り除き、腹の中をきれいに洗って水気を完全に拭き取る。キッチンペーパーなどで包んだ上からラップをかけ、冷蔵庫のチルド室で保存する。鮮度落ちが早いため、刺身で食す場合は当日中が望ましい。長期保存の場合は、三枚におろして皮を引き、一切れずつラップに包んで冷凍する。
時期・特徴
国内分布
北海道南部以南の日本各地。水深100〜200m程度の砂泥底に生息する。
時期
通年流通するが、最も脂が乗って美味とされるのは12月から3月にかけての冬季。「寒ホウボウ」と呼ばれ、白身に甘みが増す時期である。
栄養
高タンパクで低脂肪な白身魚。脂質には多価不飽和脂肪酸のEPAやDHAが含まれる。骨の健康維持に欠かせないカルシウムやリン、体内の余分な塩分の排出を助けるカリウムも豊富に含まれている。
特徴
頭部が大きく、尾に向かって細くなる円錐形の独特な体型を持つ。胸ビレが翼状に大きく発達しており、鮮やかな青緑色の地に青い斑点があるのが美しい。胸ビレの下にある3対の軟条(脚状の突起)を器用に動かして海底を歩くように移動する。身は適度な歯ごたえとうま味があり、和食では刺身、煮付け、椀種、洋食ではポワレやブイヤベースなど、幅広い調理法に対応できる。
品種・由来
- 品種名:ホウボウ
- 分類:スズキ目カサゴ亜目ホウボウ科ホウボウ属
- 学名:Chelidonichthys spinosus
由来
胸ビレ下の軟条で海底を「方々(ほうぼう)」歩き回る様子から名付けられたとする説が有力。その他、浮き袋を振動させて「ボーボー」と音を出すこと、あるいは「這う這う(はうはう)」が転じたとする説、頭部が角ばっていることから「方帽」とする説などがある。
伝来
日本近海の在来種。古くから日本の近海で漁獲され、食文化に組み込まれてきた。
歴史背景
江戸時代には「君魚(きみうお)」と呼ばれ、その姿の端正さと味の良さから、殿様や貴族が好んで食べる上等な魚として扱われた。また、お食い初めの膳に「頭の大きな魚のように、知恵が発達するように」との願いを込めて供えられる地域もある。
備考
近縁種の「カナガシラ(Lepidotrigla guentheri)」と混同されることが多いが、カナガシラは胸ビレが小さく、内側が鮮やかな青色ではないことで判別できる。
