選び方・調理法
選び方
パッケージの包装に破損がなく、密閉が保たれているものを選ぶ。プロセスチーズは原料となるナチュラルチーズの種類(ゴーダ、チェダー等)によって風味が異なるため、用途に合わせて原材料名を確認することが望ましい。表面に結露や乾燥が見られないもの、色が均一で、特有の光沢があるものが良質とされる。
下処理
特になし。そのままスライスやダイス状にカットして使用する。ナチュラルチーズに比べて組織が安定しているため、包丁に付きにくく、均一な形に切り出しやすい特性がある。
保存方法
必ず冷蔵(10℃以下)で保存する。加熱殺菌されているためナチュラルチーズよりも保存性は高いが、一度開封すると乾燥が進み、風味を損なうほか、雑菌が付着しやすくなる。開封後は断面をラップで隙間なく覆い、密閉容器に入れて保管し、表示されている賞味期限にかかわらず早めに消費するのが理想的である。
時期・特徴
国内分布
全国的に流通。国内の大手乳業メーカー各社が製造しており、家庭用から業務用まで幅広い製品が存在する。
時期
年間を通じて安定して供給されている。
栄養
牛乳の栄養成分が濃縮されており、タンパク質、脂質、カルシウムを豊富に含む。製造過程で乳化剤(リン酸塩など)が使用されるが、これはチーズの組織を均一にする役割を持つ。ナチュラルチーズと同様、カルシウムの補給源として極めて優秀である。
特徴
1種類または数種類のナチュラルチーズを粉砕・混合し、乳化剤を加えて加熱融解し、再び成形したものである。加熱殺菌により乳酸菌や酵素の働きが止まっているため、保存中に熟成が進まず、品質が一定で風味が変化しにくい。また、加熱しても形状が崩れにくいタイプや、逆に溶けやすいタイプなど、用途に合わせて機能を調整できるのが最大の利点である。
品種・由来
- 品種名:スライスチーズ、ベビーチーズ、キャンディチーズ、6Pチーズ
- 分類:プロセスチーズ
- 学名:―
由来
英語の「Processed Cheese(加工されたチーズ)」に由来する。
伝来
日本では昭和初期から輸入・製造が始まり、1954年(昭和29年)に発売された「6Pチーズ」などのヒットにより、日本人の口に合うチーズとして広く定着した。日本のチーズ消費量の多くをこのプロセスチーズが占めていた時期も長く、日本の食文化における西洋化を支えた食材の一つである。
歴史背景
1911年にスイスのウォルター・ゲルバーとフリッツ・シュテトラーが、輸出時の保存性を高めるために開発したのが始まりとされる。その後、1916年にアメリカのジェームズ・L・クラフト(クラフトフーズ創業者)が特許を取得し、大量生産技術を確立したことで、世界中に普及した。
備考
乳等省令において「プロセスチーズ」と明確に区分されており、ナチュラルチーズとは別の規格として管理されている。
