選び方・調理法
選び方
1尾丸ごとの場合は、魚体に張りがあり、背側が青黒く腹側が銀白色に輝いているものを選ぶ。目が澄んでおり、エラが鮮紅色であることも重要。切り身の場合は、身に透明感があり、血合いの色が鮮やかな赤色のものが新鮮。冬の時期、脂が乗った部位は白く霜降り状に見えるが、これは「寒ブリ」特有の良質な脂である。用途により、刺身なら腹側の脂の強い部位、焼き物なら背側の程よく締まった部位を選ぶ。
下処理
生臭みを除くため、切り身に薄塩を振ってしばらく置き、表面に浮き出た水分を拭き取るか、熱湯をさっとかける「湯引き(霜降り)」を行うと良い。照り焼きにする際は、九分通り火を通してからタレを塗り、仕上げに軽く火にかざして香ばしさを出すと、身が硬くならずふっくらと仕上がる。アラを使用する場合は、血塊を丁寧に取り除くことが雑味のない出汁を取るポイントとなる。
保存方法
水分を嫌うため、表面をペーパータオル等で拭き取り、空気に触れないようラップや脱水シートで密閉して冷蔵保存(0〜3℃)する。数日保存する場合は、醤油や酒を合わせたタレに漬け込む「漬け」にするか、小分けにして冷凍保存する。
時期・特徴
国内分布
北海道から九州までの日本近海全域に分布。北上・南下を繰り返す回遊魚。主な産地は天然物では富山県(氷見)、石川県、島根県など。養殖物では鹿児島県、愛媛県、大分県などで盛んに行われている。
時期
最大の旬は冬(12月〜2月頃)で、この時期のものは「寒ブリ」と呼ばれ、1年で最も脂が乗り、市場価値も高まる。産卵期を迎える春以降は身質が落ちる傾向にある。
栄養
タンパク質が豊富で、多価不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やIPA(EPA:エイコサペンタエン酸)を非常に多く含む。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、代謝に関わるビタミンB群(B6、B12)、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富である。
特徴
成長段階に応じて呼び名が変わる「出世魚」の代表格。口角の上顎骨後縁上部が角張っていることで、丸みを帯びるヒラマサと区別できる。天然物は適度な歯ごたえと上品な脂が特徴。一方、養殖物は「ハマチ」と呼ばれることも多く、年間を通じて脂が非常に乗っており、濃厚な味わいが楽しめる。
品種・由来
- 品種名:ブリ(鰤)
- 分類:スズキ目アジ科ブリ属
- 学名:Seriola quinqueradiata
由来
脂が多いことから「あぶら」が転じたとする説や、身が赤く「振るう(揺れ動く)」ことに由来する説などがある。漢字の「鰤」は、師走(12月)に最も美味しくなる魚、あるいは老魚を意味する「師」の字をあてたと言われている。
伝来
日本近海の在来種。
歴史背景
縄文時代の遺跡から骨が出土しており、古くから日本人の食文化を支えてきた。江戸時代には、東のサケに対し西のブリとして、正月料理や婚礼の席に欠かせない「年取り魚」として重宝されてきた。現代では世界で初めて養殖が事業化された魚種の一つでもある。
備考
出世魚としての呼称は地域差がある。
関東:ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ
関西:ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
一般に80cm以上の大型魚を「ブリ」と呼ぶ。
