選び方・調理法
選び方
直径7〜8cm程度で、持った時にずっしりと重みがあり、硬く締まっているものが良品。表面がなめらかで凹凸やひび割れが少ないものを選ぶ。
葉付きの場合は、葉がみずみずしく、しおれていないものが新鮮。
下処理
真っ赤な色素がお湯に流れ出たり、風味が損なわれたりするのを防ぐため、「皮付き・丸ごと」加熱するのが鉄則。
水洗いする際、皮を傷つけないように注意し、根(ひげ根)や茎の付け根を少し残して切る(深切りしない)。
茹でる場合は、酢やレモン汁を少量加えると色が鮮やかに留まる。
ローストする場合は、アルミホイルに包んでオーブンでじっくり焼くと、甘みと香りが凝縮され、水っぽくならないため推奨される。
加熱後、粗熱が取れてから手やペーパータオルで皮をむく(手やまな板が赤く染まるため、手袋の使用を推奨)。
保存方法
乾燥に弱いため、葉を切り落とし(葉は日持ちしないためすぐに調理)、根の部分は新聞紙やキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存する。
下茹で(またはロースト)して皮をむいた状態で冷凍保存も可能。
時期・特徴
国内分布
北海道、長野県、茨城県、熊本県などで栽培されている。国内生産も増えているが、オランダやオーストラリアなどからの輸入品も多い。
時期
国内産の旬は年2回あり、6月〜7月(夏取り)と10月〜12月(秋・冬取り)。貯蔵性が高いため通年流通している。
栄養
「飲む輸血」と形容されるほど栄養価が高い。カリウム、鉄、葉酸、ベタシアニン(赤色色素・ポリフェノールの一種)、硝酸イオンなどが含まれる。血行促進やむくみ解消、抗酸化作用が期待されている。
特徴
ヒユ科(旧アカザ科)の根菜。カブに似た形だが、ホウレンソウやテンサイ(砂糖大根)の仲間。
土のような独特の香り(ゲオスミン)と、トウモロコシのような強い甘みが特徴。
一般的な「赤ビーツ」のほか、断面が渦巻き模様の「キオッジャ(うずまきビーツ)」、鮮やかな黄色の「ゴールデンビーツ」などがある。加熱すると甘みが増し、食感も柔らかくなる。
品種・由来
- 品種名:デトロイト・ダークレッド(代表種)、キオッジャ、ルナ(ゴールデン)、クロスビー・エジプシャン など
- 分類:ヒユ科(旧アカザ科)フダンソウ属
- 学名:Beta vulgaris ssp. vulgaris var. vulgaris
由来
ケルト語で「赤」を意味する “bette” に由来するとされる。和名では「火焔菜(カエンサイ)」と呼ばれる。
伝来
日本へは江戸時代初期に持ち込まれ、貝原益軒の『大和本草』(1709年)にも記述があるが、当時は普及しなかった。明治時代にも再導入されたが定着せず、一般家庭に普及し始めたのは近年のことである。
歴史背景
原産地は地中海沿岸。紀元前より薬用や食用として利用されていた。古代ローマ時代にはすでに栽培されており、ヨーロッパ、特に東欧やロシアではボルシチに欠かせない野菜として古くから親しまれている。
備考
ビーツを多食すると、尿や便が赤くなることがある(ビート尿/Beeturia)。これは色素成分ベタシアニンによるもので、健康上の問題はないが、知らないと血尿・血便と勘違いして驚くことがあるため、提供時に一言添えると親切である。
北海道で砂糖の原料として栽培される「テンサイ(シュガービート)」は同種の変種だが、白っぽく甘みが強烈で、通常は野菜として流通しない。
