選び方・調理法
選び方
根の上部(首)の赤紫色と、下部の白色のコントラストがはっきりしており、色が鮮やかなものを選ぶ。表面に艶と張りがあり、ひげ根が少なく肌が滑らかなものが良品。
葉は緑色が濃く、みずみずしくて変色していないものを選ぶ。
下処理
根と葉のつなぎ目部分に土が溜まりやすいため、丁寧に洗い流す。皮の部分に香りや旨味、色素が含まれているため、皮は剥かずにそのまま調理するのが基本。ひげ根があれば取り除く。
保存方法
葉がついたままだと根の水分を吸い上げてしまうため、購入後はすぐに葉と根を切り分ける。それぞれ乾燥しないように新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存する。
時期・特徴
国内分布
発祥の地である滋賀県(特に蒲生郡日野町)が主産地。「近江の伝統野菜」に認定されている。京都府や三重県など近隣地域でも栽培されている。
時期
10月上旬〜3月頃まで出回るが、もっとも味が良くなる旬は11月〜1月頃。
栄養
根の部分には消化酵素のアミラーゼ(ジアスターゼ)やビタミンCが含まれる。葉の部分はβ-カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分などが豊富な緑黄色野菜である。
特有の辛味成分イソチオシアネートや、赤紫色の色素成分アントシアニン(ポリフェノールの一種)を含む。
特徴
カブの一種で、太さが2〜3cm、長さが20〜30cmほどになる長カブ。
根の上部が鮮やかな赤紫色、下が白色になるのが最大の特徴。大根のように見えるが、カブの仲間であるため肉質は緻密で硬め。
生で食べると特有のほろ苦さと強い辛味があるが、漬物にすることでこの「えぐ味」が深い旨味に変わる。特に甘酢漬けにすると、赤紫色の色素が酸に反応して全体が美しい桜色(ピンク色)に染まることから「桜漬け」として親しまれている。
品種・由来
- 品種名:日野菜(在来種)
- 分類:アブラナ科アブラナ属
- 学名:Brassica rapa var. akana
由来
室町時代、近江国日野(現在の滋賀県蒲生郡日野町)で発見されたことからその名がついた。
伝来
日本在来種のカブ(和種)から派生したと考えられている。約500年前の室町時代に野生種が発見され、その後栽培化された。
歴史背景
室町時代の文明年間(1470年頃)、日野の領主であった蒲生貞秀(蒲生氏郷の祖父)が、鎌掛(かいがけ)の山中で野生化していた菜を発見し、漬物にしたのが始まりとされる。
その漬物を京の公家・飛鳥井雅親に贈ったところ、その風味と美しい色合いが称賛され、後柏原天皇にも献上された。その際、「近江なる 檜物の里の さくら漬 これぞ小春の しるしなるらん」という和歌と共に、日野の菜=「日野菜」の名を賜ったという伝承が残る由緒ある野菜である。
備考
滋賀県を代表する伝統野菜であり、日野菜漬けは滋賀県の名産品となっている。本来は漬物用だが、近年は色味を生かしてサラダや温野菜(バーニャカウダ等)に利用されることもある。
