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バイ(貝/馬貝) Japanese ivory-shell / Japanese babylon

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選び方・調理法

選び方

必ず生きているものを選ぶ。水槽の中で元気に活動しているもの、または殻から身がはみ出しており、触れると素早く殻の中に閉じこもるものが新鮮である。殻にツヤがあり、持ったときに重量感のあるものが良品とされる。死んで異臭(アンモニア臭など)がするものは、食中毒の恐れがあるため絶対に避ける。

下処理

殻の表面をたわしなどでこすり洗いし、汚れや付着物を落とす。塩揉みをして身のヌメリを取り除くと、雑味が消えて仕上がりが良くなる。煮付けにする場合は、殻ごと調理するが、身を取り出して調理する場合は、殻の隙間から千枚通しなどを刺して身を引き抜く。エゾバイ属(シロバイ等)の大型個体を用いる際は、念のため唾液腺(ネフリ)を取り除くのが専門調理の通例である。

保存方法

基本は冷蔵保存。乾燥を防ぐため、湿らせた新聞紙やペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて野菜室やチルド室で保管する。生の状態では2日程度が限界であるため、早めに加熱調理する。煮付けにしたものは、煮汁とともに冷蔵すれば3〜4日、冷凍すれば2〜3週間ほど保存可能である。

時期・特徴

国内分布

本州、四国、九州の全域に分布する。特に富山県、石川県、福井県、兵庫県、鳥取県、島根県などの日本海側で漁獲量が多く、食文化が深く根付いている。

時期

標準和名の「バイ」は春から初夏(3月〜6月頃)が旬とされる。一方、深海産のエゾバイ属(シロバイ、エッチュウバイ等)は、冬から春にかけてが最も脂が乗り、甘みが増す時期とされる。

栄養

高タンパク・低脂質な食材である。旨み成分であるグリシンやベタイン、タウリンが豊富に含まれており、独特の甘みとコクを持つ。また、神経系の健康維持に欠かせないビタミンB12、マグネシウム、鉄などのミネラル分も豊富である。

特徴

市場で「バイ」と呼ばれるものには、浅瀬に棲む「バイ(本バイ/黒バイ)」と、深海に棲むエゾバイ属の「シロバイ(エッチュウバイ、オオエッチュウバイ等)」の2系統がある。

バイ(本バイ): 殻に黒褐色の斑紋があり、身は硬く締まっていて、磯の香りが強い。主に煮付けにされる。

シロバイ(エッチュウバイ等): 殻が白っぽく、身は柔らかくて非常に甘みが強い。刺身としての価値が極めて高い。

いずれもコリコリとした食感と濃厚な旨みが特徴であり、日本料理の酒肴や前菜には欠かせない巻貝である。

品種・由来

  • 品種名:バイ(黒バイ)、エッチュウバイ(白バイ)、カガバイ、ツバイ
  • 分類:新腹足目エゾバイ科バイ属(バイ)、エゾバイ科エゾバイ属(エッチュウバイ等)
  • 学名:Babylonia japonica(バイ)、Buccinum striatissimum(エッチュウバイ)

由来

名前の由来は、巻き貝の古名である「貝(かひ)」が転訛したものという説や、殻が独楽(こま)の形に似ていることから、古い遊び道具である「バイ」にちなむという説がある。

伝来

日本近海の固有種および在来種。縄文時代の貝塚からも多くの殻が発見されており、古来より貴重な沿岸資源として利用されてきた。

歴史背景

平安時代の『延喜式』にも記載があるほど歴史は古い。バイの殻の中に粘土を詰め、芯を打ち込んで作った独楽が「バイ独楽(ばいごま)」であり、これが後に金属製の「ベーゴマ」へと発展した。江戸時代には庶民の味として親しまれたが、近年は環境変化により本バイの漁獲量が激減し、高級食材となりつつある。

備考

石川県では、殻の模様が小豆に似ていることから「アズキガイ」とも呼ばれる。煮付けにする際は、針で身を最後まで取り出しやすくするため、弱火でゆっくりと煮るのが調理のコツである。

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