選び方・調理法
選び方
活魚は、元気に泳ぎ回り、腹部がふっくらと太っているものを選ぶ。体長が均一なものの方が、加熱調理時に火の通りが揃いやすい。さばいた状態(開き)のものは、身に透明感があり、黒ずんでいないもの、表面に独特の光沢があるものが新鮮である。
下処理
まず、清水に1〜2日放して「泥抜き」を十分に行う。調理直前に、生きたまま酒に放して暴れさせ、汚れを吐かせる「酒締め」を行うのが一般的である。ぬめりや臭みが気になる場合は、塩を振って揉み洗いし、熱湯をさっとかける方法もある。骨が硬い大型のものは「開き」にし、小型のものは「丸」のまま調理する。
保存方法
生体は、バケツなどの容器に少量の水を張り、涼しい場所で生かしておく。水は毎日取り替え、酸素不足にならないよう注意する。さばいたものは水気を拭き取り、ラップ等で密閉して冷蔵保存するが、鮮度の落ちが早いため当日中に使い切るのが原則である。
時期・特徴
国内分布
北海道から九州まで、日本全国の平野部の水田、湿地、小川などに広く分布する。ただし、現在市場に流通しているものの多くは養殖物や中国・台湾からの輸入品であり、国産の天然物は希少となっている。
時期
旬は春から初夏にかけて。産卵期(6月〜7月頃)を控えて脂がのり、骨も柔らかい時期が最も美味とされる。冬は泥中で越冬するため身が痩せ、味が落ちる。
栄養
「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」と言われるほど栄養価が高い。タンパク質、カルシウム、鉄分が非常に豊富で、特にカルシウムは魚類の中でも極めて高い含有量を誇る。ビタミンB2、B12、ビタミンDも多く、皮のぬめり成分にはコラーゲンやコンドロイチン硫酸が含まれる。
特徴
細長い円筒形の体形で、口の周りに5対(計10本)のひげを持つ。雌の方が雄よりも大きく育つ。鰓(えら)呼吸のほか、腸で呼吸を行い尻から気泡を出す「腸呼吸」という独特の習性を持つ。顎口虫(がっこうちゅう)などの寄生虫のリスクがあるため、原則として生食は避け、必ず中心部まで十分に加熱調理して供する。
品種・由来
- 品種名
- 品種名:ドジョウ(マドジョウ)
- 分類:コイ目ドジョウ科ドジョウ属
- 学名:Misgurnus anguillicaudatus
由来
泥の中に生息することから「土生(つちうお)」、あるいは「泥つ魚(どろつうお)」が転じたものとされる。漢字の「泥鰌」は中国語の表記に由来する。
伝来
日本在来種。古事記や万葉集にも記述が見られ、古来より日本の淡水域に広く生息し、貴重な動物性タンパク源として利用されてきた。
歴史背景
江戸時代には安価で滋養強壮に優れた「庶民の味」として普及し、江戸市中には多くのドジョウ専門店(柳川屋など)が軒を連ねた。かつては身近な環境に生息していたが、農薬の使用や圃場整備による湿田の消失により天然個体は激減している。
備考
別名は「踊り子(おどりこ)」。主な料理には、丸ごと煮込む「丸鍋」、開いて牛蒡と卵で綴じる「柳川鍋」、骨を抜いて煮る「ぬき鍋」のほか、唐揚げ、蒲焼き、煮物などがある。近縁種に清流に住むアジメドジョウがあるが、これは別属(アジメドジョウ属)であり、極めて美味な高級食材として区別される。
