選び方・調理法
選び方
芽の長さが3〜5cm程度で、太くてずんぐりとしているものが良品。葉(芽先)が開ききっておらず、つぼんでいるものを選ぶ。
【天然物】 トゲがピンと張っていて鋭いものが新鮮。
【栽培物】 トゲがない品種(メダラ)が多いため、全体の色味が鮮やかな緑色で、変色がないものを見る。
根元の切り口が黒ずんでいるものや、乾燥してしなびているものは避ける。
下処理
調理前に、根元の硬い部分(ハカマ)を包丁でむき取るようにして取り除く。
【天ぷら・揚げ物】 アク抜きの必要はない。根元の太い部分に十文字の切り込みを入れると火が通りやすくなる。
【お浸し・和え物】 アク(苦味やえぐみ)を抜く必要がある。ハカマを取った後、塩を加えた熱湯で2〜3分ほど茹で、冷水にさらしてアクを抜く。苦味が強い場合は水にさらす時間を調整する。
保存方法
乾燥に弱く、風味が落ちやすいため、購入後は日を置かずに調理するのが原則。
保存する場合は、乾燥しないように新聞紙やキッチンペーパーで包んでから穴を開けたポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存する(2〜3日程度)。
長期保存する場合は、硬めに茹でてから冷凍保存する。
時期・特徴
国内分布
日本全土の山野に自生する。
市場に流通する「ふかし栽培(ハウス栽培)」の主な産地は、山形県が圧倒的シェアを誇り、次いで新潟県、秋田県などが続く。
時期
栽培物(ふかし栽培): 12月頃から4月頃まで。一足早い春の味覚として流通する。
天然物(露地): 桜の咲く頃からと言われ、地域によるが4月から6月上旬頃。暖地から順に北上する。
栄養
カリウムを豊富に含み、マグネシウム、リン、鉄などのミネラル類もバランスよく含まれる。また、β-カロテンやビタミンE、ビタミンK、葉酸などのビタミン類も多い。
苦味成分のエラトシド(サポニンの一種)には、糖の吸収を抑える働きや抗酸化作用があるとされる。
特徴
ウコギ科の落葉低木「タラノキ」の新芽。独特の芳醇な香り、コクのあるほろ苦さ、もちっとした食感を持ち、山菜の中でも特に人気が高く「山菜の王様」と称される。
油との相性が抜群で、苦味が和らぎ旨味が引き立つ天ぷらは代表的な調理法。
流通品の多くは、原木を切り出して温度管理されたハウス内で水耕栽培する「ふかし栽培」によるもので、トゲが少なく、アクもマイルドで食べやすいのが特徴。一方、天然物は香りと野趣あふれる苦味が強く、愛好家が多い。
品種・由来
- 品種名:
植物としては、トゲの多い「オダラ(男だら)」と、トゲの少ない「メダラ(女だら)」に大別される。
栽培品種としては、トゲが少なく扱いやすい「あすは」「新駒(しんこま)」などの品種が利用されている。
- 分類:ウコギ科タラノキ属
- 学名:Aralia elata
由来
「タラ」の語源については諸説あり定まっていないが、トゲがあることから朝鮮語の「トゲ」を意味する言葉に由来する説や、「太郎(タロウ)」が転訛したとする説などがある。「ウド(独活)」の大木に対する「タロウ」という対比で呼ばれたとも言われる。
伝来
日本を含む東アジア原産。日本各地の山野、林道脇、森林の伐採跡地などに自生し、古くから採取・利用されてきた。
歴史背景
かつては春の短い期間にのみ味わえる貴重な山の幸であったが、昭和後期より、冬場に剪定した枝(穂木)を利用した「ふかし栽培」の技術が確立・普及し、冬から春にかけて安定的に供給されるようになった。
天然物の採取においては、「一番芽(頂芽)を摘んだら、二番芽(脇芽)は残す」というマナーがある。すべての芽を摘んでしまうと木が枯死してしまうため、資源保護の観点から重要視されている。
備考
別名:タラッペ
英語名:Japanese Angelica Tree Shoots, Aralia Sprout
もともと救荒植物としても知られ、飢饉の際にはトゲのある枝や皮も利用されたという記録がある。
