選び方・調理法
選び方
大きさの割に重量感があり、手で持った際にずっしりと重みを感じるものを選ぶ。脚がすべて揃っており、関節に張りがあるものが良品とされる。甲羅に「カニビル」の卵(黒い粒状のもの)が付着しているものは、脱皮から時間が経過して身が詰まっている目安とされる。逆に、腹側が白く透けているものや、甲羅が柔らかいものは身入りが少ない傾向にある。
下処理
生食や鍋物にする場合は、活けの状態であれば真水に浸けて締め、汚れを洗い落とす。加熱調理の場合は、一般的に姿のまま茹でるか蒸し上げる。茹でる際は、塩分濃度3%程度の沸騰した湯に、甲羅を下にして入れ、落とし蓋をして20分前後(大きさによる)加熱する。
保存方法
茹で上げた後は乾燥を防ぐためラップや濡れ布巾で包み、冷蔵保存する。長期保存の場合は、乾燥しないよう密閉して冷凍するが、家庭用冷凍庫では風味の劣化が早いため、早めに消費することが望ましい。
時期・特徴
国内分布
日本では山口県以北の日本海側および茨城県以北の太平洋側に分布。主な漁場は兵庫県、鳥取県、石川県、福井県、北海道などの周辺海域である。市場にはロシア、カナダ、アメリカ(アラスカ)などからの輸入生鮮品・冷凍品も多く流通している。
時期
省令等により漁期が厳格に定められており、海域や雌雄により異なる。石川県以西の日本海側では、雄は11月6日から翌年3月20日まで、雌は11月6日から翌年1月10日頃までとされることが多い。北海道近海では春から初夏にかけても漁が行われる。旬は一般的に、水揚げが盛んになる晩秋から冬とされる。
栄養
高タンパク・低脂質の食材である。呈味成分であるグルタミン酸やグリシンなどのアミノ酸を豊富に含む。微量栄養素としては、ビタミンB12、ナイアシン、亜鉛、銅などが比較的多く含まれている。
特徴
体色は全体に黄褐色だが、加熱すると鮮やかな赤橙色に変化する。甲羅は膨らみのある三角形に近い。雌雄で大きさが著しく異なり、雄は甲幅15cm程度に達するが、雌はその半分程度(8cm前後)までしか成長しない。
繊細で甘みの強い肉質が特徴。雄は主に脚肉や肩肉、蟹味噌を賞味するが、雌は「外子(そとこ)」と呼ばれる受精卵や「内子(うちこ)」と呼ばれる未受精卵、蟹味噌が珍重される。
近縁種の「オオズワイガニ(バルダイ種)」は本種より大型になり、肉質も良いとされる。「ベニズワイガニ」は全体に赤みが強く、安価に流通するが、身の水分量が多く日持ちが短い。
品種・由来
- 品種名:ズワイガニ(本ズワイ)
- 分類:十脚目ケセンガニ科(またはクモガニ科)ズワイガニ属
- 学名:Chionoecetes opilio
由来
「ズワイ」は、細く真っ直ぐな枝を指す古語「楚(すはえ)」が転訛したものという説が有力である。長く伸びた脚の形を枝に見立てたものとされる。
伝来
日本近海に古くから生息する在来種であり、古くから食されてきた。
歴史背景
江戸時代の文献にもその名が見られ、福井県(越前国)のズワイガニは、当時の将軍家へ献上されていた記録がある。明治時代以降、漁法や冷蔵技術の発展により、全国的な高級食材としての地位を確立した。
備考
地域ごとにブランド化が進んでおり、松葉ガニ(山陰地方)、越前ガニ(福井県)、加能ガニ(石川県)、津居山ガニ(兵庫県津居山港)、間人(たいざ)ガニ(京都府間人港)など、水揚げ港を示すタグを装着して品質を保証する体制が整っている。
