選び方・調理法
選び方
体色が青緑色を帯びた銀色に明るく輝き、鱗がしっかり残っているものを選ぶ。下顎の先端が鮮やかな朱色(赤色)であるものは鮮度が極めて高い。腹部が黄色く変色しているものは、内臓が自己消化を起こしている「わた焼け」のサインであるため避ける。一般に「かんぬき」と呼ばれる30cm以上の大型のものほど脂が乗り、市場価値も高い。
下処理
鮮度劣化が非常に早いため、入手後は速やかに内臓を取り除く。腹腔内を覆う黒い膜は、見た目が悪いだけでなく強い苦味と臭みの原因となるため、流水に当てながら指やブラシで丁寧にこすり落とす。身が薄く割れやすいため、三枚におろす際は「大名おろし」が適している。腹骨は薄く削ぎ落とし、残った小骨は骨抜きで丁寧に取り除く。
保存方法
内臓を取り除き、黒い膜を掃除した後に水分を完全に拭き取る。空気に触れないよう1尾ずつ、または適宜ラップで包み、冷蔵庫のチルド室で保存する。基本的には当日、遅くとも翌日には調理するのが望ましい。
時期・特徴
国内分布
千葉県、石川県、茨城県、広島県、香川県など。日本近海の全域に分布し、特に沿岸の藻場や汽水域に生息する。
時期
「春を告げる魚」の代表格であり、3月から5月頃が最も美味とされる。ただし、地域によっては秋から冬にかけても漁獲され、脂の乗りが異なる。
栄養
高タンパク・低脂質の典型的な白身魚で、非常にヘルシーな食材である。代謝を助けるナイアシンやビタミンB12、赤血球の形成に関わる葉酸、骨の形成を助ける亜鉛などのミネラルを含んでいる。
特徴
細長く銀色に輝く美しい魚体と、長く突き出した下顎が最大の特徴。白身は透明感があり、淡泊ながらも独特の芳香と甘みがある。外見の美しさに反して腹の中(腹腔膜)が真っ黒であることから、一見善良そうだが心に悪巧みを抱く人を指す「サヨリのような人」という比喩表現の語源となった。
品種・由来
- 品種名:サヨリ(細魚、針魚)
- 分類:ダツ目サヨリ科サヨリ属
- 学名:Hyporhamphus sajori
由来
細長い体型から「細魚(さよより)」が転じたとする説、沢(浅瀬)に集まることから「沢寄り(さわより)」となったとする説などがある。漢字では姿から「針魚」「細魚」、また「竹魚」とも記される。
伝来
日本近海に広く生息する在来種。古くから日本の沿岸漁業で親しまれており、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』にもその記述が見られる。
歴史背景
江戸前寿司においては、その清涼感のある姿と繊細な味わいから、春を代表する光り物・白身として欠かせない存在であった。かつては庶民的な魚であった時期もあるが、近年では大型の「かんぬき」を中心に、高級料亭や寿司店で重宝される高価な魚となっている。
備考
原産地:日本近海、朝鮮半島、黄海
別名:カンヌキ(大型のもの)、クチナガ、スズ、ハリヨ
主な調理法:刺身、細造り、手綱寿司、昆布締め、塩焼き、天ぷら、骨せんべい
