選び方・調理法
選び方
ふっくらと丸みがあり、重みを感じるものを選ぶ。表面の泥が湿り気を帯びているものが新鮮とされる。皮の縞模様が等間隔でくっきりしており、触れたときに硬く締まっているものが良品。皮が乾ききっているもの、ひび割れがあるもの、芽が出始めているものは鮮度が落ちている可能性があるため避ける。また、表面に赤褐色や黒色の斑点があるものは、中の肉質が変質している場合がある。
下処理
調理目的に応じて、塩もみや下ゆでを行ってぬめりを抑える。皮をむく際は、両端を切り落としてから六角形にむく「六方むき」が日本料理の基本とされる。手のかゆみを防ぐには、手や芋を濡らさずに扱うか、酢水に手をつけてから作業すると良い。小ぶりのものは皮付きのまま蒸すか茹で、熱いうちに皮をむく「衣かつぎ」にすると、特有の食感を損なわずに味わえる。
保存方法
低温と乾燥に弱いため、冷蔵庫ではなく風通しの良い冷暗所での常温保存が基本。新聞紙に包んで乾燥を防ぐ。5℃以下になると低温障害を起こし、変色や腐敗の原因となるため注意が必要。泥付きの状態の方が保存性は高い。使いきれない場合は、硬めにゆでてから冷凍保存することも可能。
時期・特徴
国内分布
主な産地は千葉県、埼玉県、宮崎県、鹿児島県など。日本各地の気候に合わせた品種が栽培されており、一部、中国などからの輸入も行われている。
時期
一般的に流通が多いのは8月下旬から翌3月頃。品種によって旬が異なり、「石川早生」などの早生種は8〜9月、「土垂(どだれ)」は10〜12月、九州などの温暖な地域で栽培される「京いも(たけのこいも)」は11〜2月頃に食べ頃を迎える。
栄養
主成分はデンプンだが、他の芋類と比較して水分が多く、カリウムや食物繊維を豊富に含む一方でカロリーは低めとされる。独特の粘りはガラクタンなどの多糖類によるもの。皮をむく際のかゆみは、シュウ酸カルシウムの針状結晶が肌を刺激することに起因する。
特徴
東南アジア原産のタロイモの一種。地下茎が肥大した「塊茎(かいけい)」を食用とする。中心にある「親芋」の周りに「子芋」、さらにその周りに「孫芋」がつく構造を持つ。品種により、子芋・孫芋のみを食べるもの(土垂など)、親芋のみを食べるもの(京いもなど)、両方を食べるもの(八頭など)に分類される。また、一部の品種では葉柄を「ずいき」として食用にする。
品種・由来
- 品種名:石川早生、土垂、八頭、海老芋、セレベス、京いも(たけのこいも)
- 分類:サトイモ科サトイモ属
- 学名:Colocasia esculenta
由来
山に自生する「ヤマイモ(山芋)」に対し、人里の畑で作られることから「サトイモ(里芋)」と呼ばれるようになったとされる。古くは「家芋(いえいも)」とも呼ばれた。
伝来
熱帯アジア原産で、日本には縄文時代に伝来したとされる。稲作が普及する以前は主食として重要な位置を占めていたと考えられており、ジャガイモやサツマイモが普及する江戸時代中期以前は、単に「芋」といえば里芋を指していた。
歴史背景
インドからマレー半島付近が原産地とされ、耐寒性を備えた系統が中国を経て日本へ伝わったと考えられている。一方、南方ルートで太平洋諸島へ伝わったものは「タロイモ」として現在も広く栽培されている。日本の食文化においては、古くから年中行事や儀礼食に深く関わってきた食材である。
備考
親芋、子芋、孫芋と次々に増える性質から、古来より「子孫繁栄」の象徴として正月料理や祝いの席に欠かせない食材とされる。十五夜(中秋の名月)に供えられることから「芋名月」の別名もあり、山形県をはじめとする東北地方の「芋煮会」など、地域のコミュニティを形成する文化の中核にもなっている。
