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キチジ/キンキ Broadbanded thornyhead

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選び方・調理法

選び方

体色が鮮やかな深紅色で、鱗(うろこ)が剥がれておらず、全体に艶があるものが新鮮。鮮度が落ちると色が朱色や黄色へと褪せてくる。目に濁りがなく、触れた際に身が硬く締まっているもの、エラが鮮紅色であるものを選ぶ。特に「網走の釣りキンキ」などのブランド魚は、魚体に傷がなく、極めて高い品質を誇る。

下処理

背鰭(せびれ)やエラ蓋に鋭い棘(とげ)があり、刺さると強く痛むため、調理前にハサミ等で切り落とすと安全である。鱗は細かく剥がれやすいため、包丁の先で丁寧になぞり取る。脂が非常に多いため、煮付けにする際は熱湯をかけて「霜降り」にし、表面のぬめりや臭みを除去すると、上品な白身の風味が際立つ。

保存方法

内臓とエラを取り除き、血合いを洗い流して水気を完全に拭き取る。キッチンペーパーで包んでからラップで密閉し、冷蔵(チルド室)保存する。脂質が酸化しやすいため、長期保存には向かない。冷凍する場合は、空気に触れないよう真空パック等で厳重に密封し、急速冷凍を行う。

時期・特徴

国内分布

北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県など、主に北日本の太平洋側に広く分布する。水深150m〜1,200m付近の深海に生息し、底曳網や延縄(はえなわ)漁で漁獲される。

時期

一般的に産卵を控えて最も脂が乗る秋から冬(10月〜3月頃)が旬とされるが、深海魚であるため年間を通して身の質や脂の乗りが安定しており、通年美味とされる。

栄養

白身魚でありながらタンパク質よりも脂質の方が多い稀有な魚種である。脂質にはEPA(IPA)やDHAなどの不飽和脂肪酸が極めて豊富に含まれる。また、カルシウム、マグネシウム、ビタミンEなども含んでおり、栄養価が非常に高い。

特徴

カサゴ目フサカサゴ科(近年の分類ではメバル科)に属し、成魚は30cm前後になる。大きな目と口、斧(よき)のような形の大きな胸鰭が特徴。背鰭の第8棘付近に明瞭な黒い斑紋があることで、近縁種のアラスカキチジ等と判別できる。身は非常に柔らかく、深海魚特有の濃厚な脂が全体に回っており、「白身のトロ」と称されることもある。

品種・由来

  • 品種名:キチジ(喜知次、吉次)、キンキ
  • 分類:カサゴ目フサカサゴ科キチジ属
  • 学名:Sebastolobus macrochir

由来

標準和名の「キチジ」は、宮城県地方で体色が黄色を帯びた血の色(朱赤色)に見えることから「黄血魚(きちじ)」と呼ばれたことに由来するとされる。一方、北海道で一般的な呼称である「キンキ」は、アイヌ語の「キンキンカムイ」が変化したものという説や、見た目の豪華さから「金魚(きんぎょ)」が転じたという説がある。

伝来

日本近海の固有種に近い存在であり、古くから北日本沿岸で自給的に利用されてきた。

歴史背景

1960年代頃までは底曳網で大量に漁獲されており、市場価値は極めて低かった。当時は肥料やかまぼこの原料として安価に扱われていたが、冷蔵・輸送技術の向上により、その濃厚な脂の旨みが全国的に評価されるようになった。現在は漁獲量が減少したことも相まって、祝い事や高級料亭に欠かせない「北の赤い宝石」と呼ばれる高級魚としての地位を確立している。

備考

加工品としては、開き干し(干物)が有名。また、粕漬けや西京漬けにしてもその脂の強さが活きる。

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