選び方・調理法
選び方
根(球部)が円形で整っており、皮に張りとはりのある純白色で、なめらかな質感のものを選ぶ。葉は鮮やかな緑色で、茎が太くシャキッとしているものが新鮮である。根に割れ(裂根)があるものや、肌が乾燥して変色しているもの、葉の付け根に泥が溜まり変色しているものは避けるのが望ましい。
下処理
根は皮の付近に硬い繊維があるため、少し厚めにむくと口当たりが良くなる。茎を数センチ残して「くし形切り」にする場合は、茎の間に残った泥を水の中で竹串やブラシを用いて丁寧に取り除く。皮が柔らかい小カブなどは、薄くむくか、あるいは皮付きのまま調理することで風味を活かすことができる。
保存方法
葉をつけたままにすると、葉が根の水分と養分を吸い上げてしまい、根に「す(空洞)」が入る原因となる。購入後すぐに葉と根を切り離し、それぞれ湿らせたペーパータオルやポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する。葉は鮮度低下が非常に早いため、当日中に使い切るか、硬めにゆでて保存するのが理想的である。
時期・特徴
国内分布
主な産地は千葉県、埼玉県などの首都圏近郊のほか、青森県や北海道などの冷涼な地域でも盛んに栽培されている。また、京都府の「聖護院かぶ」や滋賀県の「日野菜」など、各地に固有の伝統野菜(地方種)が数多く存在する。
時期
通年流通しているが、旬は年に2回あり、春(4月〜6月)の「春カブ」は肉質が柔らかく、冬(11月〜1月)の「冬カブ」は寒さで甘みが強く蓄えられる。
栄養
根と葉で栄養価が大きく異なる。根は淡色野菜で、消化酵素のアミラーゼ(ジアスターゼ)を含み、胃もたれの解消に役立つとされる。一方の葉は緑黄色野菜に分類され、β-カロテン、ビタミンC、E、カルシウム、鉄分が非常に豊富であり、捨てずに調理することが推奨される。
特徴
「春の七草」の一つである「すずな」として古くから親しまれてきた。肉質は緻密で、生では独特の甘みとほのかな苦味があり、加熱するととろけるような食感に変化する。日本全国で80種を超える在来種が存在すると言われ、世界的に見ても日本はカブの多様性が非常に豊かな国である。
品種・由来
- 品種名:小カブ(金町小蕪)、大カブ(聖護院かぶ)、天王寺かぶ、寄居かぶ、今市かぶ、温海かぶ、飛騨紅かぶ、日野菜かぶ、すぐき菜
- 分類:アブラナ科アブラナ属
- 学名:Brassica rapa L. var. rapa
由来
名称の由来は、根が頭(かぶり)のように見えることから「カブ」になったという説や、根を「株(かぶ)」と呼んだことに由来する説がある。別名の「諸葛菜(しょかつさい)」は、諸葛孔明が遠征先で軍糧として栽培させたという伝説に基づいている。
伝来
弥生時代に大陸から伝来したとされる。興味深い点として、日本のカブは「関ヶ原」を境界として、東日本にはシベリア経由の「ヨーロッパ系(耐寒性が高い)」、西日本には中国経由の「アジア系(耐暑性が高い)」が分布するという特徴がある。
歴史背景
『日本書紀』において、持統天皇が五穀を補う作物として栽培を推奨したという記述が残るほど歴史は古い。ヨーロッパでも紀元前から栽培されており、ロシア民話『大きなかぶ』に象徴されるように、洋の東西を問わず生活に密着した野菜である。
備考
野沢菜はカブの変種であるが、根が肥大せず葉を利用するように改良されたものである。俳人・与謝蕪村の「蕪村」という名は、陶淵明の『帰去来辞』の一節から取られたとされるが、カブそのものへの親しみも深く、「蕪(かぶら)ひき 蕪で道を 教へけり」という句も残している。
