選び方・調理法
選び方
殻付きは、殻がしっかり閉じていて重みがあるものを選ぶ。開いている場合は、触れるとすぐに閉じる(生きている)ものが目安。
むき身は、身に透明感と弾力があり、乾いていないものが新鮮。生臭さのないものが良品。生食にする場合は「生食用」として流通しているものを用い、加熱用を生で食べない。
下処理
殻付きの場合は、貝柱の付け根にナイフを入れて殻から外し、貝柱・ひも(外套膜)・生殖巣などを取り出す。砂や汚れを流水で洗い流し、水気をよく拭き取る。砂をかんでいる個体があるため、ひもや身のひだの間まで丁寧に洗う。
むき身の場合も、軽く塩水で洗って水気を拭き取る。内臓(いわゆるウロ/中腸腺に相当する部分)はえぐみが出やすいので、用途により取り除くと仕上がりがよい。
保存方法
むき身は冷蔵(チルドが望ましい)で保存し、できるだけ早く使い切る。生食は当日、加熱調理でも1〜2日以内を目安にする。
冷凍する場合は水気を拭き、1つずつラップして冷凍用袋へ。解凍は冷蔵庫でゆっくり行い、再冷凍は避ける。
時期・特徴
国内分布
日本各地の沿岸に分布する。
一方で漁獲は安定しにくく、食用としてまとまって流通する地域は限られる(日本海側の北陸・山陰などで名が知られる例がある)。
時期
産卵期は2〜3月頃とされる。
漁獲・流通は地域差が大きいが、一般に冬〜春にかけて身が充実するとされる。
栄養
主成分はタンパク質で、脂質は少なめ。亜鉛などのミネラルを含み、貝類に多い遊離アミノ酸(グリシン、アラニン、グルタミン酸など)や核酸系のうま味成分(イノシン酸など)が風味に寄与する。ホタテガイに近い食味とされる。
特徴
イタヤガイ科の二枚貝で、扇形の殻をもつ。左殻(上側になる殻)は比較的平たく、右殻(下側になる殻)は半球状にふくらむ。
殻表には放射状の肋(筋)が8〜10本ほど見られる。
流通量は多くなく、主に貝柱やひもを食用にし、刺身(生食用に限る)、寿司、酢の物、焼き物、蒸し物、天ぷら、フライなど幅広く利用される。
品種・由来
- 品種名:イタヤガイ
- 分類:イタヤガイ科/イタヤガイ属(Pectinidae/Pecten)
- 学名:Pecten albicans (Schröter, 1802)
由来
貝殻の模様が板葺きの屋根(板屋)に見えることから「板屋貝」とされたといわれる。
別名の杓子貝(柄杓貝)は、ふくらみのある殻を利用して柄杓を作ったことに由来するとされる。
伝来
日本近海に生息する在来の貝として知られる。
歴史背景
沿岸各地で古くから食用とされてきたが、漁獲の年変動が大きく、ホタテガイのように通年安定して市場に出回る食材ではないとされる。
備考
市場で「ボイルイタヤ」などの名で流通するものの中には、イタヤガイではなくホタテガイ(ベビーホタテ等)を原料とする例がある。
