選び方・調理法
選び方
有頭のものは頭部がしっかりと胴体に付いており、身に透明感と弾力があるものを選ぶ。頭部が黒ずんでいるものは自己消化(黒変現象)が進み、鮮度が落ちているため避ける。腹側に抱卵している場合、卵の色が鮮やかな青緑色のものが新鮮である。国内流通の多くを占める冷凍品は、グレース(氷の膜)が均一で乾燥していないもの、身が白濁していないものが良品とされる。
下処理
冷凍品は、乾燥を防ぐためビニール袋に入れた状態で流水に当てるか、塩水を用いた急速解凍が推奨される。刺身にする際は、尾の1節を残して殻を剥き、背側に浅く切り込みを入れて背わたを取り除く。頭部は味噌が詰まっており、良い出汁が出るため、汁物、唐揚げ、またはオーブンで焼いてからソースのベース(ビスキュイ等)に活用すると良い。
保存方法
鮮度劣化が極めて早いため、入手後は速やかに消費する。冷蔵の場合は水気を拭き取り、ラップで密着させてチルド室で保存。食べきれない場合は、殻付きのまま急速冷凍するか、加熱調理後に保存する。
時期・特徴
国内分布
日本では主に北海道、および山形県から島根県にかけての日本海側に分布する。主な産地は北海道、新潟県、石川県、兵庫県など。また、カナダ、グリーンランド、ロシアなどから輸入される北極海・北大西洋産の近縁種も「アマエビ」として大量に流通している。
時期
通年流通しているが、国内産の旬は海水温が下がる秋から冬(11月〜2月頃)とされる。この時期は身が締まり、甘みがより強くなる。
栄養
低脂肪・高タンパクな食材である。甘みの成分はグリシン、アラニン、プロリンなどのアミノ酸によるもの。抗酸化作用のあるアスタキサンチンのほか、タウリン、ビタミンE、ビタミンB12を豊富に含む。殻や尻尾には食物繊維の一種であるキチンが含まれる。
特徴
水深200〜1000mの冷たい深海泥底に生息する。最大の特徴は、死後一定時間が経過すると自己消化酵素の働きによってタンパク質が分解され、強力な甘みが生じる点にある。また、「雄性先熟」という性転換を行う生態を持ち、誕生から約5年まではオスとして成長し、その後メスへと性転換して一生を終える。そのため、市場で大型として扱われる個体はすべてメスである。
品種・由来
- 品種名:ホッコクアカエビ(地方名:ナンバンエビ、コショウエビなど)
- 分類:十脚目タラバエビ科タラバエビ属
- 学名:Pandalus eous
由来
刺身などで食べた際に、他のエビと比較して際立った甘みを感じることから「甘海老」と呼ばれる。また、新潟県などの北陸地方では、鮮やかな赤色と形がトウガラシ(南蛮)に似ていることから「ナンバンエビ」とも呼ばれる。
伝来
日本海側や北海道周辺の深海に古くから生息する。かつては鮮度保持が難しく産地周辺での消費が主であったが、1960年代以降の冷凍技術の発展と海外からの輸入増加に伴い、日本全国で親しまれる食材となった。
歴史背景
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』等には明確な記載が見られないが、近代以降の深海漁業の発展により、寿司だねや刺身の定番として不動の地位を築いた。
備考
北極海や北大西洋で漁獲され輸入されるものは、厳密には近縁種の「ホンホッコクアカエビ(Pandalus borealis)」であるが、日本の市場では区別されずに「アマエビ」として流通している。
